ギブソン バジェット・ブランド

昨日は、アーチトップ・ギターについて書きました。
先日、ギブソン製のカラマズー・オリオールというアコギを紹介しましたが、戦前はアーチトップ・ギターの人気が高かったので、ギブソン製でありながら別ブランドのアーチトップ・ギターが沢山あります。

いわゆるバジェット・ブランドと呼ばれる物には、カラマズーのようなギブソンの廉価版ブランドと、ギブソンOEMで製造した物があります。
特に、当時のアメリカでは、未だ交通網が整っていなかったため、楽器店で購入する人よりも、通信販売で購入する人が多かったので、通信販売会社のブランドで製造した物が多いです。

ギブソンの廉価版ブランドは、やはりギブソン・ブランドの物よりチープなのですが、OEMの方では、そのブランドで高級機に位置づけられる物があり、それはギブソン・ブランドにひけを取らない物もあります。

ただ、この時期のギブソンのギターは、特許のアジャスタブル・トラスロッドを採用していることをアピールしていたため、、別ブランドの物にはアジャスタブル・トラスロッドは採用されていません。
しかし、当時は今より良い材を使っているし、長い年月でネックも安定しているので、現在、演奏に支障がないようであれば、心配する必要はありません。
もちろん、それより古いギブソンや当時の他のメーカーはアジャスタブル・トラスロッドを使っていませんが、現在問題無く使えます。

ちなみに、どのようなブランドがあるかというと、主なところでは、Ambasaddor、Capital、Cromwell、Kalamazoo、Masson、Recording King等があります。

これらの、戦前のバジェット・ブランドのギターはかなり安く手に入ります。
いつも書いていますが、良いギター特有の魂が宿っているような感触が、気軽に感じられるので、興味がある方は試してみてください。

イメージ 1
Recording King M5
Recording Kingの高級機、チェッカー・バインディングと豪華なインレイが印象的です。
削りだしトップ、削りだしバックでギブソンの高級機種と同等です。

イメージ 2
Recording Kingのバック
もちろん、トラ杢のハードメイプル

イメージ 3
Cromwell G4
Cromwellの普及機、ポジションマークが印象的ですが、それ以外はシンプルな装飾です。
プレスのスプルース・トップ、バックもマホガニーのプレスでアーチを作っています。
ギブソンよりチープな作りですが、音は結構良いです。