情熱にしたがう?

一応、IT関連の仕事をしているので、日経BPのITproというホームページを見ているのですが・・・
そこに面白い記事が載っていました。

スティーブ・ジョブズ氏は、スタンフォード大学の卒業式の講演で、卒業生に「大好きな物への情熱にしたがいなさい」と言ったそうです。
これに対して、ベンチャー事業をいくつも創業したベン・ホロウィッツ氏は、コロンビア大学の卒業式の講演で、卒業生に「情熱に従うな」と語ったそうです。
なぜなら、年をとると情熱の対象は変わるからで、それよりは、「自分が得意なことで世の中に貢献せよ」と言ったそうです。

なるほどと思いましたが・・・・私はどちらかというと、ジョブズ氏に近い考えです。
もちろん、どちらも私なんかより立派な人物なので、深い考えがあるのだと思いますが・・

そこで、思い出したのが、「猫のゆりかご」等で有名なSF作家のカート・ボディガット・ジュニアの話です。
なんでも、彼の姉は、彼以上に作家の才能があったそうです。
そこで、「なんで本を書かないの、それだけの才能を世のために使わないなんて罪だよ」と言ったところ、彼の姉は「罪って一体なんなの」と言ったそうです。
そして、普通の主婦として幸せに暮らしているとか・・・

どうも、才能は神からの贈り物というのが、キリスト教の考え方のようですね。
でも、いくら才能があっても、本人がやりたくないならばやらなくて良いし、才能が無くても、やりたかったらやれば良いと思います。
失敗しても、自分のやりたかったことをやったなら諦めがつくけど、やりたくないのにやったのだったら後悔すると思います。
それに、アメリカ人は成功を目標にする事が多いですが、人生は勝ち負けでもないと思っています。

ひょっとしたら、ホロウィッツ氏は、世の中に貢献することが、本当はやりたいことなのかもしれません。
成功することもそうですが、世の中に貢献する事も、アメリカ人は好きですから。

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「猫のゆりかご: カート・ヴォネガット・ジュニア著 伊藤典夫訳 ハヤカワ文庫SF
英語であやとりの事を猫のゆりかごと言うそうですが、猫もゆりかごも見えない事を意味しています。