ハワイアン・コア

今日は、再びギターの材についてのお話です。
ギターというよりはウクレレの材と言った方が良いかもしれませんが、ハワイアン・コアについて書きます。

先日も書きましたが、1878年ポルトガルからハワイに伝わったブラキーニャという楽器を元に作られたのがウクレレです。
このとき、ウクレレに使われたのが、ハワイ固有種で神聖な木とされていたハワイアン・コアという木です。

その後、1915年に開催されたサンフランシスコ博覧会で、ハワイアン音学が米国本土に広まります。
そしてマーチンは1916年にウクレレの製作を開始しますが、この時はハワイアン・コア以外にマホガニーウクレレも製作されています。

さらに、1917年にはハワイアン音楽用としてコア材を使ったKシリーズのギターを製作し始めます。
ちなみに、スタイル18がハカランダの高騰によりホンジュラスマホガニーのサイド&バックに切り替えたのも同じ1917年です。
このKシリーズは1935年までに3,997本製作されて打ち切りになります。
これは、ハワイアンのブームが去ったということもありますが、乱伐によりハワイアン・コアの価格が高騰したこともあります。
そして、ハワイでは、ハワイアン・コアの供給制限をするようになります。
この時期、ハワイの老舗ウクレレ・メーカーのカマカでも、ハワイアン・コアが入手できなくなり、モンキーポッドという木でウクレレを作っています。
ちなみに、モンキーポッドという木は、CM「この木なんの木」で有名なハワイの木です。

やがて、保護活動や植林の結果、ハワイアン・コアの供給は再開され、現在は安定に供給されています。
なお、マーチンも1980年からKシリーズの製作を再開しています。

ハワイアン・コアはマホガニーに似た感じの木なので、特に古いウクレレなんかに使われている材では見分けがつかない物もあります。
マホガニーと異なるのは、色が金茶色ということと、素晴らしいトラ杢が出やすい点です。
もちろん、杢が出てない木も多いので、普及版のウクレレなんかはプレーンな木が使われていますが・・・
高級機種には、凄いトラ杢の材が使われています。

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マーチン 0-18K(1929年製)のバック

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カマカ スタンダード ウクレレ 1940年代 (モンキーポッド製)

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サニーD コンサートDX ウクレレ (ハワイアン・コア製)