リンカーン

昨日は、男の顔は履歴書ということを書きました。
「40歳を過ぎた人間は、自分の顔に責任を持たなくてはならない。」と言ったのはリンカーンです。

なんでも、リンカーンの閣僚にある人を推薦した人がいたのですが、リンカーンは顔が気に入らないと断ったそうです。
すると、推薦した人が「それは本人の責任ではないだろう」と反論したので、冒頭の名言を言ったそうです。

最初は、リンカーンは自分が威厳のある顔をしているから、そんな事が言えるんだと思っていました。

それに、リンカーン自身も、大統領選の前までは、痩せて長身で面長な顔も物悲しそうなため、見栄えが悪かったそうです。
そんなときに、11歳の少女からの手紙で、顎鬚を生やした方が立派に見えるとアドバイスされて、顎鬚を生やすようにしたそうです。
なんか、選挙ポスターの顔写真を修正をするのと、そんなに変わらない気がしますね。

でも、大統領になるまでのリンカーンを知ったら、考えが変わりました。

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両親は開拓農民だったが、勤勉に働いて、彼が生まれた頃には農場を手に入れていた。
しかし、彼が7歳の時に、土地の権利証が偽物だったため、一家は全てを失った。
このため、彼は初歩的な教育しか受けることができなったが、以後独学で弁護士を目指す事になる。
9歳の時に母が亡くなって、10歳の時に、父が再婚した。
彼は、辺境の地で荷物運び等さまざまな仕事について働き、23歳の時に雑貨屋事業を試みるが、あえなく失敗する。
その後、兵役に就きインディアンと戦った。
そして、戦いから戻ると、州議会議員へ立候補するが、あえなく落選する。
しかし、2年後に再度立候補して見事当選し、その後4期連続州議会議員を務める。
この間、再度起業するが、これも失敗する。
このころ、恋人が腸チフスで亡くなり、この影響のためか精神を病む。
回復してからしばらくして、別の女性と結婚するが、4人生まれた息子のうち3人が死んでしまう。
このため、妻が精神病を患い、彼自身もまた精神を病む。
そして、34歳から3度にわたり下院議員選挙で落選したのち、やっと当選する。
下院議員を1期務めた後に、46歳で上院議員に立候補したが落選していまう
また、47歳のときには副大統領に立候補したが,これも落選した。
再度、49歳で上院議員をめざすものの,またもや落選してしまう。
しかし,51歳の時に共和党大統領候補に選出され、第16代大統領となってしまう。
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こんだけ挫折を繰り返す人生も珍しいですが、不屈の精神で諦めずチャレンジするのが凄いです。
それだけ自分の人生に誇りを持っていたからこそ、冒頭の言葉が言えたのですね。

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リンカーン 上」 ドリス・カーンズ・グッドウィン著 平岡緑訳 中公文庫

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リンカーン 中」 ドリス・カーンズ・グッドウィン著 平岡緑訳 中公文庫

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リンカーン 下」 ドリス・カーンズ・グッドウィン著 平岡緑訳 中公文庫