ストーン・ヘンジ

昨日は、パパラギという本が創作だったということを知って驚いた事を書きました。
これは、私自身、サモアの酋長の言葉だと思いたかったという気持ちがあったからだと思います。

よく騙される側に、そうあってほしいという気持ちがあるから騙されるといいます。

そういえば、以前、ネッシーの有名な写真について、撮影者の関係者が偽造だと告白した時も、「やはり」という気持ちと共に、ちょっぴり「残念」という気持ちになりました。
これは、心の隅に写真が本物であって欲しいという気持ちがあったからだと思います。
(もちろん、ネッシーの存在自体が否定された訳ではないのですが・・・)

似た事例では、ミステリー・サークルについて、2人の老人が製作したと告白したというニュースを聞いた時も、「やはり」という気持ちと共に、ちょっぴり「残念」という気持ちになりました。
昔は、ミステリー・サークル周辺にはUFOが頻繁に出現するとかで、UFOの仕業だと言われていましたね。

まあ、人騒がせと言えば言えるのですけど・・・人々に、ロマンを与えてくれたと考えればいいのかな。

そんなときに届いたニュースに、あのストーン・ヘンジが1950年代に建設されたというものがありました。
そして、1954年から1958年に撮影されたという、重機で巨石を釣り上げている写真や、コンクリートを流し込んでいる写真が公開されました。
そのニュースを聞いたときには、「またイギリスか、イギリス人って何考えているんだろう」と思ったことを覚えています。

もっとも、あれは、多くの巨石が倒れていたので、それを建てた修復作業の様子の写真で、別にスクープでも無く、昔から公開されていたという話もありました。
(それでも、大昔からあの姿で佇んでいなかったという事で、ちょっぴり残念な気がします)
・・・で、さきほど、ネットで調べたのですが、この話の真相は判らなかったです。
でも、1950年代よりもずっと昔から、ストーン・ヘンジは文献に記録されているのは確かのようです。

そういえば、最初に1950年代に建設されたと聞いたときに、「このことはコリン・ウィルソンは知っていたのだろうか?」と思いました。
コリン・ウィルソンが書いた傑作SFの「賢者の石」では、脳に金属片を入れた主人公が脳の能力を拡張し、物に触れただけで、その物の過去にどんな出来事が起きたのか判るようになります。
そして、主人公は、ストーン・ヘンジで人類以前の太古の種族の存在を知るのです。

調べてみたら、この「賢者の石」は1969年に刊行されています。
もし、建設されたのが10年ほど前だったら、当然知っていただろうし、こんな風に書かないですよね。
どうも、ロマンが減らなくて済みそうな感じです。

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「賢者の石」 コリン・ウィルソン著 中村保男訳 創元推理文庫