魔法の言葉

昨日のNHKスペシャルは、「ボブ・ディラン ノーベル賞詩人 魔法の言葉」というタイトルでした。
しかも、サブタイトル?に「How dose it feel」とついていました。

もちろん、この「How dose it feel」は、ライク・ア・ローリングストーンの歌詞なのですが・・・おそらく、ボブ・ディランの詩人としての人柄やその紡ぎだした詩について番組で取り上げて・・・・視聴者が「どのように感じるのか?」といった意味があるのではないでしょうか?

どうも、この番組は、サブタイトルに限らず、オダギリジョーボブ・ディランの詩を口づさんだり、イラストを使ったり・・・製作者がアートっぽく作っているようでした。
個人的には、ボブ・ディランの存在自体が難解なので、余計な装飾をせずに、事実だけを伝えて欲しかったです。

もっとも、内容的には情報が豊富で、興味深かったです。
例えば、タルサ大学にボブ・ディラン資料庫があるというのを聞いて、へぇ~と思いました。
何故なら、先日書いたJ.JJ.ケイルの本拠地が、そのオクラホマ州タルサなのです。
どういう経緯があって、ボブ・ディランの自宅にあった6,000点もの資料が、その場所に保管されるようになったのでしょうか?

その中にあった、歌詞作りの下書き、ホテルの便箋やレシートに書かれた創作メモから推測される、歌詞の制作過程・・・膨大な言葉から選び出し、下書きの順番を解体しバラバラにして再構築する等の方法でした。
アル・クーパーが、普通のレコーディングと違って、曲ではなく彼の詩で待たされるのだ。と言っているように、そこまで苦労して、言葉を選んで作詞しているのですね。

ノーベル賞の受賞スピーチで、自分の歌は文学なのだろうか?と自問した事はなかった。と、言っていますけど、この作詞の仕方を考えれば、充分に文学ですよね。

ところで、番組ではライク・ア・ローリングストーンの「ローリングストーン」という言葉には、
・転落した人生
・しがらみから解放された自由な生き方
の二つの意味があると言っていましたが・・・やはり、ローリング・ストーン・ギャザーズ・ノー・モスから取った言葉なのではないでしょうか?
誰にも知られていない、帰る家もない等の「苔が付いていない状態」・・・つまり、裸の自分になった事だと思います。