マイ・バック・ページズ

リモートワークのため、早朝に散歩しているのですが・・・ところどころでホームレスの人が寝ているのをみかけます。
最近は朝晩が寒いので心配してしまいますが・・・世間では人手不足と言っているのに、ホームレスの人が多いなんて、なんか間違っているような気がします。

何がしかの仕事を紹介すれば良いのに・・・ホームレスの方は、束縛されない自由な暮らしを望んでいるのかな?

 

さて、話題のボブ・ディランの初来日45周年記念「コンプリート武道館」完全限定盤は価格が高かったけど、その分良かったです。
オマケに色々な関連物が付属しているのも良いですが・・・なんと言っても、思っていたより音が凄く良いのに驚きました。
さらに、初来日だったということもあり、選曲が有名なものばかり・・・もちろん、現在のライヴのような原曲が判らないアレンジでありません。

 

ふと思い出したのが、ボブディランの30周年記念コンサートの映像。
コンサートの最後の方で、大勢で演奏した「マイ・バック・ページズ」が印象的でした。
この曲では、かわりばんこにヴォーカルをとったのですが・・・他のミュージシャンは原曲に忠実だったのに、最後のディラン本人は原曲が判らないぐらい崩して歌っていました。

 

マイ・バック・ページズ」って、そんな曲あったっけ?という感じで、それほど有名な曲でありません。
おそらく、最初に歌ったロジャー・マッギンがいたザ・バーズがカバーしていたから、選曲されたのでしょう。

 

この曲の演奏が始まる前に、ボブ・ディランエリック・クラプトンが何やら話をしていたのですが・・・おそらく、お前がソロを弾けと言っていたのでしょう。
で、この曲と次に全員で演奏される「天国の扉」のカンターソロはクラプトンが弾いています。
(一部、マイ・バック・ページズのエンディングで、ニールヤングがしゃしゃり出てソロを弾いています)

クラプトンは後ろの方で目立たないように弾いているのですが、当時のレースセンサー搭載のクラプトン・モデル「ブラッキー」の音が目立っていて、結構良い演奏です。

 

なお「マイ・バック・ページズ」のサビは、

 but I was so much older then, I'm younger than that now

 あの頃、私はとても年老いていた。今の私はずっと若い

という逆説的なリフレインです。
ディラン特有の言葉遊び的な対比なのかと思っていたのですが・・・オリジナルが収録されていたアルバム「アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン」のライナーノーツを読んだら、エレキを弾き始めるすこし前の時期だったそうです。
つまり、反戦とかに束縛されたプロテスト・ソングに決別し、自由なロックを目指すという宣言のような曲だったとか。

 

なんか、30周年記念で、そんな曲をロック・ミュージシャン達と一緒に演奏するなんて、ちょっと感慨深いですね。

 

ボブ・ディラン 30周年記念コンサート デラックス・エディション

 

「アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン」 ボブ・ディラン