他に選択の余地が無かった

前回に続いて白いギターを紹介しようと考えていたのですが・・・今は、大きな問題となっているロシアのウクライナ侵攻について、書かない訳にはいかないと思いました。

 

多くの人同様にウクライナ侵攻については半信半疑だったので、宣戦布告もなく市民への避難の猶予も与えない急激な展開に驚きました。(ウクライナの人に同情します)

そもそも、ウクライナに侵攻すれば、さらにNATOは団結しロシアに対抗するようになるだそうし、ドイツのノードストリーム2承認作業停止のようにヨーロッパ各国は天然ガスのロシア依存を見直すだろう、もちろん経済制裁もあるし・・・そして世界のロシアに対する信頼が永遠に悪くなってしまうという事で、ロシアにとってもデメリットが予想されるからです。

 

それでも、プーチン大統領ウクライナへの侵攻を決断しました。

その時「他に選択の余地が無かった」という言葉を述べましたが・・・私は、選択余地を無くすようにアメリカが仕組んだと考えています。

 

今回の事態を引き起こした大きなバックグランドには、やはり新型コロナの流行があると思います。

ロシアでは自国開発のワクチン「スプートニクV」が信頼されず、接種数が伸びず感染者数が減っていません。

さらに経済状態が悪く、年金問題などでプーチン政権の支持率が低下しています。

先日も、全ロシア将校協会がプーチン大統領へ辞任要求をだしたなんていうニュースがありました。

今回の事態を引き起こしたのは、国内の批判をそらすという意味合いもあったと言われています。

 

一方のバイデン大統領の方も、ワクチンに懐疑的な人など新型コロナ対策への批判もあり支持率が低下しています。

でも、アメリカでは911の時のブッシュ大統領のように、有事の時の大統領は支持を集める傾向があります。

さらに、次の大統領選のライバルとなりそうなトランプ前大統領はロシア疑惑のようにプーチン大統領と親密なイメージがあるので、プーチン大統領の信用が失墜すればトランプ前大統領にとってはダメージとなります。

そのため、バイデン政権はロシアがウクライナへ侵攻するように仕組んだのでしょう。

今回、トランプ前大統領は、プーチンは天才的だなんて発言していますが・・・まったく事態を理解していないみたいですね。

 

ヨーロッパの首脳たちがロシア軍の集結ははったりだと思っていたところ、アメリカだけは、侵攻すると言い張っていたのは、そのためです。

そして、かなり早い時期に、ウクライナ在住のアメリカ人の国外退避を促し、ウクライナにいたアメリカ軍も撤収しました。

そのうえ、有事には米軍を派兵しないとまで宣言したのです。

 

一方では、NATO拡大等のロシア要求には一歩も譲らなかったため、プーチン大統領としては、振り上げた拳を引っ込める事ができなくなってしまったのです。

このような状況で、何も得ることなく軍を撤退させたら、臆病者と言われてしまいます。

ウクライナの人には可哀想ですが・・・ウクライナ侵攻の他に選択肢が無くなってしまったのでしょう。

 

今回、バイデン大統領の発言で目立つのは、、プーチン大統領は侵略者だとか、個人に非難が行くようにしていることです。

プーチン大統領は、クーデターなどウクライナ政権交代を示唆していますが、自分の足元を気を付けた方が良いかもしれません。

 

ロシア国内でも、戦争反対の声が広まっています。

ロシア国内でのインタヴューでは、新型コロナで医療崩壊しているから、戦争で怪我をした兵隊を受け入れる病院の確保ができない・・・なんて話もありました。

プーチン大統領は見落としているかもしれませんが、第一次世界大戦で従軍した兵士からスペイン風邪が広まったように・・・今後、ウクライナへ派兵した兵士から、ロシア国内で新型コロナの感染が広まる事が目にみえるようです。