ここのところ、リッケンバッカー325V63の初年度1984年前半に作られた試作品の話とか、カラマズー工場で作られたギブソンES335DOT1981年製というような、意外と知られていない名品の事を書いてきました。
意外と知られていない名品というと、以前も書きましたが、フェンダーのスティーヴィ―・レイヴォーン・ストラトキャスターの初年度製の中にはハカランダ指板の物があります。
その数は50本とか100本とも言われています。
主に1992年前半に作られた物なのですが・・・9月製でもハカランダ指板だったり3月製でもパーフェロー指板の物もあります。
ちなみに、この時期の製造時期はネックデイトで確認できます。
シリアルナンバーでいうと、SE90xxxxのシリアルナンバーの中にハカランダ指板が存在し、SE91xxxx以上は全てパーフェロー指板だそうです。
ところで、シリアルナンバーのSはシグネーチャー・モデルを表し、Eは1980年代を表しているという事なので・・・SE9だと1989年製になってしまいます。
この点について、1980年代後半にスティーヴィ―・レイヴォーンのシグネーチャー・モデルの製造を開始したのですが・・・本人が亡くなってしまったので、一旦中止となり、1992年になって遺族の了承を得て発売となったので、1989年製のシリアル・ナンバーが付いていると言われてきました。
さて、同時期のシグネーチャー・モデルといえば、エリック・クラプトン・シグネーチャー・モデルは1988年に製造開始となり、翌1989年になって同モデルのブラック・フィニッシュのブラッキーが発売されます。
ネット・オークションでブラッキーの初年度製(シリアルナンバーSE9xxxxx)というギターを落札したのですが・・・後日ネックを外してネックデイトをみたら、やはり1992年製でした。
おそらく出品者はシリアル・ナンバーから初年度製だと判断していたのでしょう。
あれこれ調べてみたら、単にフェンダーのシリアルナンバーの付け方がいい加減だったようで、中にはSE9xxxxxのシリアルナンバーを持つギターなのに1994年製まであるようです。
古いフェンダーのシリアルナンバーはかなりいい加減で、製造時期の大体の目安にしかなりませんが・・・この時期までその伝統が続いていたのですね。