パーフェロー?ハカランダ?

先日、ローズウッドが全面規制となり、フェンダー社はメキシコ製など廉価版の指板がパーフェローになる事を書きました。
もっとも、コストダウンというよりも入手しやすさが理由みたいで・・・パーフェローはボリビアン・ローズウッドとも言われ、エボニーに近い感じサウンドの高級材なのです。

これまで、パーフェローの指板といえば、フェンダー・スティヴィ―・レイヴォーン・モデルに使用されていた事で有名でした。
ちなみに、このモデルはスティヴィ―・レイヴォーン本人の要望を取り入れ試行錯誤して開発されたそうで、特徴といえばSRVと書かれたブラック・ピックガード、テキサス・スペシャル・ピックアップ、ゴールド・パーツ、左用トレモロ・ユニットなどと共に、パーフェロー指板が挙げられます。
もっとも、当初はハカランダ指板で計画されていたそうですが・・・コストがかかり材の調達も大変だったので・・・フェンダー社がスティヴィ―・レイヴォーンにパーフェロー指板を提案し、本人も了承したそうです。

そのため、初期に作られたギターにはハカランダ指板のものが存在し・・・その数は、50本とも100本とも言われています。
以前、発表年のギターには当たりが多い、と書きましたが・・・これなんか、まさにその例ですね。

なお、販売直前にスティヴィ―・レイヴォーンが事故死してしまったので、一旦、販売を中止し、その後、遺族の了承を得て販売にこぎつけたため、発売開始は1992年になります。
このため、初期のギターには、SE9から始まるシリアルナンバー(Sはシグネーチャー・モデル、Eは80年代、9は製造年の下一桁)を持っています。
さらに、SE90xxxxのシリアルナンバーの中にハカランダ指板が存在し、SE91xxxx以上は全てパーフェロー指板だそうです。

ご存知のように、フェンダーのシリアルナンバーは大まかで、製造順に付けられている訳ではないので、SE90xxxxで若い番号でもパーフェロー指板もあります。
シリアルナンバーよりも確実なのが、ネック・デイトなのですが・・・ほぼ1992年前半のものはハカランダ指板、1992年後半のものはパーフェロー指板となっていますが、中には1992年3月でもパーフェロー指板もあり、1992年9月でハカランダ指板という例外もあるそうです。

後は実物を見て判断という事になりますが・・・ハカランダは濃い色なのに対し、パーフェローは明るい色・・・例えれば、ハカランダはブラック・コーヒー、パーフェローはカフェオレと言った感じです。
もっとも、こちらも例外があり、明るい色のハカランダもあり、パーフェローでも濃い色もあります。

もう一点、私が判断の基準にしたのは、板目の指板が使われている事・・・1992年当時、既にハカランダは希少材で板目しか手に入りませんでしたが・・・パーフェローは豊富に木材が入手でき、柾目の木材を使っていました。
楽器屋で1992年製を見つけたとしても、ネック・デイトを確認するのはほぼ無理なので、とりあえず木目をチェックしてみてください。

ちなみに、ハカランダとインディアン・ローズウッドを区別するとき、木肌のキメの細かさがありますが・・・パーフェローはエボニーに近い密度なので、それでは区別できません。
まあ、指板の材がなんであっても、音が良ければいいんですけど・・・やはり、ちょっと気になりますね。

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フェンダー スティーヴィ―・レイヴォーン・ストラトキャスター 1992年5月製