芸術の秋ということで、またまた展覧会を観に行ってきました。
行ったのは、東京国立博物館(トーハク)で開催されている「はにわ」展と国立近代美術館で開催されている「ハニワと土偶の近代」展です。
2展を観る場合、もう一方のチケットを見せれば割引になるようですが・・・トーハクに大学のキャンパス・メンバーズで入ってしまいました。
先日も書きましたが、歳をとるにしたがって混雑しているのが苦手になってきたのに・・・トーハクの方はかなり混んでしました。
そもそも「はにわ」展は平成館なのですが・・・表慶館で「Hello Kitty」展を開催しているので写真撮影をしている若い人が大勢いて、奥の平成館まで行くのも大変です。
さらに、「はにわ」展自体も一部の展示以外は写真撮影OKで観客の進みが遅いのが
混雑の原因のように思います。
さて、個人的には、埴輪より土偶の方が奇抜でアートな感じがして好みです。
埴輪は素直に対象を簡略化して表現しているようで、なんとなくマンガっぽい気がします。
縄文時代の土偶は小集団が作っていたので製作者が自由に作れたのに対して、古墳時代の埴輪は、大王のお墓にそなえるのだから奇抜なものはダメとか製作者が言われていたような気がします。
ひざまづく形の埴輪も2体展示されていましたが、大集団の階級社会(生口=奴隷もいました)だった事が判ります。
そういえば、会場で何度か「カワイイ」という声が聞こえました。
(笑っている埴輪もあります)
確かに見た目はカワイイ感じがしますが・・・剣や鎧から判るように、平和だった縄文時代と違って、古墳時代は戦いの時代なので、見た目に騙されてはいけません。
一方、国立近代美術館で開催されている「ハニワと土偶の近代」展の方は、比較的空いていました。
埴輪や土偶にインスピレーションを得た近代の美術作品の展示が主なのですが・・・意外なことに、芸術的な土偶よりも埴輪をモチーフにした作品の方が多いです。
どうやら、戦前は戦意高揚のため、自由な社会を象徴する土偶より王権的な支配や戦いの時代を象徴する埴輪が好まれたようです。
そもそも、古墳自体が大和政権につながり、天皇制の礼賛的な意味合いも大きいです。
その点、戦後の抽象的な作品は、ユニークな物が多くて良かったです。