民主化が進まない

昨日は、紛争地における拘束と人質の違いについて書きました。
なんでも、スパイ容疑などで拘束される事は日常茶飯事だそうですが、容疑が晴れればすぐに解放されるのに対して、人質は身代金目当てのため、解放まで長期間かかるそうです。

どうも、日本にいると、紛争地の状況等が報道される事が少なく、平和ボケになってしまいますね。
もっと、普段から危機管理意識を持っていなければイケないと思いました。

ところで、今日のニュースによると、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする条例を巡って、香港で学生などのデモ隊と警察の衝突があり、けが人が多数出ていると言っていました。
映像を視て、多くの人が思い浮かべたのは、先日30周年を迎えた天安門事件ではないでしょうか?
さすがに、中国本土ではないので、軍隊が出動するような事は無いと思われますが・・・今後、どのような展開をみせるか?心配です。

そういえば、日曜日に放送されたNHKスペシャルは「天安門事件 運命を決めた50日」というタイトルで・・・天安門事件を扱った内容でした。
あの番組の中で、先進諸国は天安門事件に対して中国政府を非難する決議を出そうとしたのですが・・・アメリカと日本が反対して、決議を取り下げさせたという逸話が紹介されていました。

その理由として、中国政府が進める経済政策により経済発展が進めば、富裕層が増え自然と民主化も進むだろうという予測があったからだそうです。
しかし、天安門事件から30年経って世界第2の経済大国となった今でも、中国の民主化は進んでおらず、むしろ言論統制などにより、独裁体制を強固にしています。

私なんか、多くの中国人が、日本など海外旅行をするような時代になったのに・・・何故、自由な世界を体験した彼らが中国政府に対して不満を抱かないのか?不思議に思ってしまいます。
香港も返還当時は、本土との交流により、中国の民主化に良い影響がある事が期待されていたのですが・・・いつしか共産党による独裁体制が進んでいるように思えます。

今まで、単純に、豊かになれば民衆の力が増し、民主化が進むと考えていたのですが・・・どうやら、中国は新たな方向性を見出したようです。
日本政府が中国政府の見出した方向性を真似するような事は無いと思いますが・・・平和ボケになっている場合ではないですね。