拘束と人質

昨日は、福岡で起きた高齢者が運転する車が暴走した事故について、ドライヴレコーダーの映像を分析したら、夫が意識を失って、助手席の妻が必死にハンドルを元に戻そうとする姿が映っていたというニュースについて書きました。
ドライヴレコーダーの性能がアップすれば、相手のドライバーの表情や態度も記録できそうですね。

さて、今日もTVで視た話題です。
日曜日に放送されたテレ朝の「ビートたけしのTVタックル」は、世間をザワつかせたあのニュース、その後どうなったという特集でした。
バイトテロ不適切動画、3億円で落札されたマグロを釣り上げた漁師さん、レオパレス施工不良問題などが取り上げていましたが・・・一番興味深かったのが、シリアで3年4か月も人質となった安田順平さんの話です。

番組には、安田氏本人が登場して、事件の実態について語っていました。
当時、自己責任論が盛り上がっていました・・・中でも、安田氏が以前イラクでも人質となっていた経緯があり、「プロの人質」なんていう批判もありました。

安田氏によると、イラクの時は拘束されただけで3日で解放されたのですが・・・日本のメディアに人質だと報道されてしまったそうです。
なんでも、紛争地では、ジャーナリストがスパイ容疑で拘束される事はよくあることで・・・多い人では、一か月に何度も拘束されるそうで・・・もちろん、スパイ容疑が晴れれば、数日で解放されるそうです。

シリアでも、最初はスパイ容疑で拘束されたのですが・・・イラクで人質だったという記事を武装組織が見つけてしまい・・・身代金目当ての人質へと待遇が変わってしまったそうです。
しかし、日本政府が身代金の支払いに応じる訳はなく・・・武装組織が、諦めるまで3年以上の月日がかかってしまったようです。

つまり、日本のメディアの誤った報道により、本来、数日で解放されるところが、長期にわたって拘束されてしまった上に、世間からは、自己責任論というバッシングを受ける結果になってしまったとか・・・

言われてみれば、私なんかも、拘束と人質の違いなんて、判っていませんでした。
恐らく、日本のメディアも、認識していなかったために、間違ってしまったのではないでしょうか?
逆に言えば、日本のメディアは温室の中に居て、現地の状況がほとんど判っていないという事で・・・そういった意味でも、安田さんのような勇気あるジャーナリストの存在は大事だと思います。

また、実態も判らないのに、安易にプロの人質だと非難したりする人が多いのは困ったものですね。
確かに、平成が戦争が無かった時代だったのは良い事なのですが・・・日本は平和ボケしているのではないか?と思ってしまい・・・常に危機意識を忘れないために、紛争地の実態などに、もっと興味を持つようにしなければいけないと考えてしまいました。