昨日は、技術の進歩などにより時代は変わるので、一生同じ仕事ができる事を期待するのは無理があるという話を書きました。
だから、AIに仕事を奪われるなんて懸念するのも、無駄な事かもしれません。
なんでも、廃業当日、山一証券の社員は何も知らず新聞で自分の会社の終わりを知ったそうです。
たぶん、山一證券の社員も、自分たちの会社がずっと続くと思っていたのでしょう。
調べて見たら、明治30年(1897年)に小池国三商店として創業したそうなので・・・平成9年(1997年)で丁度100年だったわけです。
当時の幹部のインタビューで、「組織に忠節を尽くす、組織第一で一生懸命に組織と周りの社会世の中のためにささげる事が自分の生き方」と語っている人がいましたが・・・組織と言っても、永遠に続くような物ではないという認識が無かったのではないでしょうか?
もちろん、バブル崩壊で、大企業への損失補填を行った事による影響もあったのは事実ですが・・・右肩上がりの神話を信じて、いつか株価は上がると損失を隠蔽し・・・危機から目をそむけ問題を先送りし続けたのが真の要因のようです。
番組で紹介された当時の資料によれば、経営者は嫌な事はあまり耳に入れないでというスタンスだったそうで・・・目先のリスクに囚われ、その先にあるさらに大きな危機を見通そうとする者は誰もいなかったとか。
そして、最後に紹介されたのは、自主廃業の4年前に書かれた「沈みゆく舟」というメモで「当社は今非常事態にある、それも生半可なものではない、それでも完全に死に体になっている訳では無い・・・座して死を待つか それとも結果に拘わらず思い切った施策を展開して局面の打開にチャレンジするか・・・僥倖偶然に得る幸運のみを当てにして運営していく事は許されない」という言葉でした。
結局、このような意見があっても、幸運を当てにして運営しつづけて、座して死を迎えてしまったのですね。