悪貨が良貨を

昨日は、最近、ITの進化で仮想化が進んだせいか、若者が物に執着しなくなったみたいだという事を書きました。
時代の流れかもしれませんが・・・物質文明にどっぷり浸かった世代である私は、物に愛着を感じてしまうので、拘りを持っています。

特に、職人が心を込めて作った物とか大事にされた道具などには、独特な雰囲気が感じられるので・・・物には魂が宿ると言うアニミズムを信じています。
そんな物に拘る私は、ヴィンテージ・ギターが大好きなのです。
持った時に、明らかに新しいギターとは違って独特な雰囲気が感じられるだけでなく・・・音という手段でも、魂が宿っている様に感じられるからです。

そんなヴィンテージ・ギターなのですが・・・最近は、取引価格の高騰が激しいです。
やはり世の中には、物に愛着を持つ人も多いのだと思ったのですが・・・購入しているのは、お金に余裕がある年配の人だそうで・・・若い人は、ほとんど、興味を持たないみたいです。

ちなみに、価格高騰の大きな要因は、今まで、ヴィンテージ・ギターなんかに興味を持たなかったような・・・中国、ロシア、アラブなどの富裕層が購入するようになったとか?それらの国の富裕層でも、世代変わりしてロック世代になっているみたいですね。
こんな状況なので・・・若い人がヴィンテージ・ギターを手にする機会も減ってしまい・・・ますます、その良さが理解できなくなってしまうのです。
ちなみに、巷には、本物のヴィンテージ・ギターではなく、コピー製品が溢れていて・・・それも、見た目の古さはそっくりなんていう物もあり・・・そういった物の存在が、さらに若者が本物への興味を無くす要因になっているように思います。

これは、ヴィンテージ・ギターに限らず・・・美術品や骨董品なども、同様に、若い人が本物を手にする機会が減ってしまっているみたいで・・・さらに、良く出来たコピー製品が溢れていたりして・・・それが、物への執着が無くなってしまう事へつながっているような気がします。

そもそも、キャッシュレス化で現金が無くなるというのが、話の発端なのですが・・・なんか、悪貨が良貨を駆逐するという言葉を思い浮かべてしまいます。
コピー製品が本物を駆逐して、その究極が、実態の無い物が物質を駆逐するのかもしれません。