ファイヤーバードのピックアップ

先日、ギブソン・ファイヤーバードのレアモデルについて書きました。
その中で、リバースモデルからノンリバースモデルへモデル・チェンジした過渡期に作られた、両者の特徴を兼ね備えたトランジション・モデルに触れました。

ファイヤーバードのピックアップといえば、一部P-90もありますけど・・・ポールピースが外から見えないミニハムバッカーですね。
外見だけなく、同じミニハムバッカーでも、エピフォン・ギターやレスポール・デラックスに搭載された物とは、構造が異なっていいて・・・さらに、リバースモデル用とノンリバース用では違っている事は、意外と知られていません。
ちなみに、エピフォン・タイプのミニハムバッカーは、通常のギブソン・ハムバッカーと構造がほとんど同じで・・・ボビンの下側にマグネットが敷かれていて、そこから磁力を得ています。
一方、ライバルのフェンダーのシングルコイル・ピックアップは、ポールピース自体がマグネットになっているのが特徴です。

ファイヤーバードは、当時人気のあったフェンダーサウンドを狙って開発されたので・・・ピックアップのポールピースにバータイプのマグネットを使用しています・・・それも、ハムバッカーなので両ボビンのポールピース共にマグネットを使うという贅沢な使い方をしています。
このため、フェンダーギブソンの中間のリッチなサウンドを創り出すことに成功したのです。

ところが、リバースモデルは不人気だったため、ノンリバースモデルにモデル・チェンジするのですが・・・これは、リバース・モデルの扱いづらさの解消と共に、製造コストの削減という意味合いもあったようです。
そのため、手間のかかるスルーネックやバンジョー・ペグの廃止が行われましたが・・・マグネットを2つ使うピックアップも変更される事になります。
そこで登場したのが、ノンリバースモデル用のピックアップで・・・バータイプのマグネットをセンターに立て、横倒ししたボビンでそれを挟み込むという変則的な構造をしています。
こちらも、高音が強いのが特徴ですが・・・むしろ高音だけといった感じで、薄っぺらでキンキンした耳障りなサウンドがして人気がありません。

で、ピックアップの変更にも、過渡期のモデルがあり・・・ノンリバースモデルになってしばらくは、余った在庫だと思われるリバースモデル用のピックアップを搭載したものが存在します。
この中には、在庫が尽きたのでしょうか?1本のギターに両者のピックアップが混在して搭載されたものもあるとか。
ちなみに、ノンリバースモデル用のピックアップもファイヤーバードシリーズの製造中止で在庫が余ったようで・・・1972年のメダリオンや1976年の建国200年モデルの初期にまで搭載されています。

さて、外見は同じだし、音の区別が難しくて、自分のファイヤーバードのピックアップがどちらか?判らないという方もいるかと思います。
確実なのは、カバーを外してみる事ですが・・・簡単なのは、ピックアップの表面の磁力が強い場所を調べるという手があります。
私の場合、小さなネジ回しを使っているのですが・・・ピックアップの表面をなぞってみて、センターにくっつけばノンリバースモデル用、2列並行にくっつけばリバースモデル用と分かります。

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1965年製ノンリバース・ファイヤーバードに搭載されたリーバースモデル用ピックアップ