1970年代のフェンダー

昨日は、ラウンド貼りネックのフェンダー・ギターについて書きました。
スラブボードほど音が太くないですが、その分、使える音楽のジャンルの幅が広いように思います。

昨日も書きましたが・・・フェンダー・ギター全般に言って、1950年代から1970年代にかけて、アコースティックなサウンドからソリッドなサウンドに徐々に変化していく傾向があります。
ギターは作られた時代に流行っていた音楽の音がする、とよく言われますが・・・これは、流行の音楽に合うように製作側も仕様を変えていたのも要因だと考えられます。

ハードな音楽が流行り、コンサートも大会場で演奏されるようになった1970年代・・・それに対応するように、フェンダーのギターはアッシュなど固く重い木材で作られるようになります。
一説には、サスティーンを重視したともいわれますが・・・大音量で歪ませた音でも、音の輪郭が潰れないように対応したためだと考えられます。

そういえば、テレキャスター・シンラインなどのように、ハムバッカーを搭載したモデルも登場しますが・・・ギブソンのPAFのようなウォームなサウンドのピックアップと違って、結構、固めなサウンドのハムバッカーです。
この点では、当時のギブソンのハムバッカーもウォームさが薄れたサウンドに変化しているし・・・レスポールなんかも重たい材を使ってソリッドなサウンドがするようになっているのが興味深いですね。

ちなみに、ブレット・トラスロッドやネックが3点止めになるのは、単に機能重視のためで・・・サウンド的には、4点止めの方がボディと強固にジョイントされている分、優れていると思います。
そういえば、1970年代の終わりにはヴィンテージ・ギターが見直されるようになり、1979年に発表されたアニバーサリー・ストラトキャスターでは、4点止めが復活しています。

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いわゆる剥ぎナチュラ

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フェンダー アニバーサリー・ストラトキャスター 1979年製

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フェンダー テレキャスター・シンライン 1973年製

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フェンダー テレキャスター・デラックス 1973年製

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フェンダー テレキャスター・カスタム 1973年製