アーシ―なサウンド

先日、エリック・クラプトンがツアーで使用した2ピース・バックのES‐335について書きました。
エリック・クラプトンといえば、連休中に、久しぶりに「いとしのレイラ」を聴いてみたら、ギター・サウンドが良いのに驚きました。

私が初めて「いとしのレイラ」を聴いたのは、発表されてから数年経ってから・・・既に名盤の評価が定まってからでした。
しかし、当時のロックでは、どちらかというとマーシャルやメサ・ブギーなんかによるハードなサウンドが主流となっていたので・・・そんなにギター・サウンドが良いという印象を受けなかったのです。
様々なジャンルの音楽が増えた今になってみると、そのアーシ―なサウンドの心地良さに改めて気づかされたという訳です。

それ以前に、エリック・クラプトンが、マーシャルとレスポールによるディストーションサウンドを確立したというのは、ある意味、若者らしい先取の感覚のなせるわざという気がするのですが・・・この渋いアーシ―なサウンドを創り出したのは、年齢から考えると、凄いと思います。
もちろん、昔のブルースマンサウンドに憧れていたというのもあるかもしれませんが・・・そのサウンドを超えているのが素晴らしいですね。

当時、エリック・クラプトンが使っていたのは、ギターはブラウニーでアンプはツイード・チャンプもしくはブラック・フェイスのデュアル・ショーマンだと言われています。
いずれも、既にモデル・チェンジされてしまった機種なので・・・・現在の様に、ヴィンテージ楽器に対する評価が無かった時代に・・・レスポールもそうですが、古い機種を発掘した、その探求心は凄いですね。

ちなみに、デュアル・ショーマンは、この当時リヴァーヴ付きのシルバー・フェイスになっていたのですが・・・サウンドはクリーンで歪まなくなっていました。
確か、エリック・クラプトンもインタヴューで、ツィード・チャンプのクランチ・サウンドを大音量で出したいため、デュアル・ショーマンを使っている、と語っていたような記憶があります。
当時は、PAが貧弱だったので、大きな音が必要なときは、出力の大きなアンプが必要だったのでしょう。

そういえば、この後、エリック・クラプトンの使用機材は、ブラッキーミュージックマンの組み合わせになるのですが・・・初期のミュージックマンのアンプも、フェンダー系で歪みやすく、さらに高出力でした。

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「いとしのレイラ」 デレク・アンド・ドミノス ポリドール・レコード

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ツイード期のフェンダー チャンプ

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ブラック・フェイスのフェンダー デュアル・ショーマン

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初期のミュージックマン HD-130
初期のモデルはドライバーも真空管なのが特徴