徘徊という言葉

先日読んだ記事で、認知症患者の行動で「徘徊」という言葉を使わなくなっているという物がありました。
以前、認知症の母を自宅で介護していたのですが・・・その時は、普通に徘徊という言葉を使っていたのですけど、記事を読んで、なるほど!と思いました。

徘徊という意味は、「目的もなく、うろうろと歩きまわること」とか「どこともなく歩きまわること」だそうで・・・認知症の患者から、「目的があって外出したけど、帰り道が判らなくなった」ので・・・本人は一生懸命帰ろうと努力していたのだから、意味もなく徘徊していたのとは違うという声があったそうです。

そういえば、私の母の場合、子供の頃に住んでいた家に帰ろうとしていたのではないか?と、思った事があります。
認知症になると、最近の記憶よりも昔の記憶が鮮明になるので、現在居る家は自分の家では無いような気がして、自分の家に帰ろうとしたのではないでしょうか?
というのも、外に出て行った母を追いかけた時に、家はどこ?と尋ねると、子供の頃に住んでいた住所を答えたからです。
ちなみに、母が育った祖父母の家は、その後、叔父が引き継いで、現在はマンションになっているため・・・母の記憶にある家に帰る事は、もう不可能なのですけど・・・

そんなわけで、認知症患者には彼らなりの目的があるので・・・確かに、徘徊という言葉は、当たっていないと思います。

そういえば、徘徊という言葉には、なんとなく悪いイメージがあるような気がします。
私がイメージするのは、ローリングストーンズの名曲「ミッドナイト・ランブラー」における真夜中の徘徊者という感じ・・・あの曲はボストン絞殺魔を歌ったと言われています。

おそらく、昔、認知症患者の行動に「徘徊」という言葉を使ったのは、よく判らないから不気味というように感じたからではないでしょうか?
現在は、もっと認知症患者の立場に寄り添って、「道に迷っている」というような表現にするように、見直しが行われているというのは良い事だと思います。

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「ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト 40周年記念盤」 ザ・ローリング・ストーンズ ユニバーサル・ミュージック
「ミッドナイト・ランブラー」の名演が聴けます