運慶展

上野の国立博物館で開催されたばかりの「運慶」展を見にいってきました。
混雑している事が予想されていたのですが・・・夏目漱石夢十夜で、元から木の中に居る仏を掘り出していると書いてあったのを思い出して、どうしても見に行きたくなったのです。

混まないうちに、と思って、開館時間のすぐ後に行ったのですが、やっぱり混んでいましたね。
上野駅でチケットを購入していったので、窓口の混雑は避けたのですが・・・入場制限がされていたので、会場の平成館の前に、既に長蛇の列が出来ていました。
そのうえ、待たされて、やっと入場できても、会場内も結構混んでいました。

外国人も多かったですが・・・年配の方も多く・・・中には、作品の前で手を合わせて拝む人もいて・・・なかなか前に進みません。
でも、絵と違って、大きい作品がほとんどなので、無理に近寄って見なくても良いため・・・流れの早い後ろの方からで我慢しました。

肝心の展示物は、迫力があって凄く良かったです。
リアルで、まさに魂が宿っている、という感じがして、拝みたくなるのも判る気がしました。

意外に良かったのが、如来像や菩薩像でなく、動きのある毘沙門天や四天王像などの天部衆・・・そのリアルな筋肉の表現は、ミケランジェロに匹敵しそうです。
晩年の作品は、憤怒の形相も凄みがあるのですが・・・若いころの作品では、やんちゃ坊主といった表情なので、ちょっと可愛いくて、気に入ってしまいました。
手の表現も、若いころの作品は柔らかそうな感じなのですが・・・晩年の作品では、血管が浮いたゴツゴツしていて、いかにも武人の手という感じがしました。

ちなみに、本館で「運慶の後継者たち―康円と善派を中心に」という展示も同時開催しているのですが、こちらは空いていました。

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興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」 チラシ、チケット、作品リスト

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「運慶」展 図録