南スーダンPKO

昨日のNHKスペシャルは「変貌するPKO 現場からの報告」というタイトルでした。
いつものように何気なく見ていたのですが・・・その内容は、かなり衝撃的でした。

それは、南スーダンでのPKOで・・・国会で問題となった、破棄されたされたはずなのに、出てきた日報に「戦闘行為」と書かれていた時(2016年7月8日~11日)の様子です。

首都ジュバの自衛隊宿営地近くで戦闘行為があったという事でしたので・・・宿営地から数百メートル離れた辺りの事だろう、と思っていたのですが・・・・
自衛隊宿営地を眼下に見下ろす、隣接したビルに反政府勢力が立てこもり、自衛隊宿営地を挟んで反対側に位置する政府軍との間で銃撃戦が起こっていたのです。
このため、宿営地の監視塔などに流れ弾が直撃していたそうです。

さらに、政府軍は自衛隊宿営地横の道路へ戦車を繰り出し、反政府軍が立てこもるビルに向けて砲撃を行ったそうで・・・まさに、戦闘地帯のど真ん中に自衛隊は居た訳です。

その時、中国軍の宿営地には、多くの避難民が逃げ込んだそうですが・・・その中に反政府勢力の戦闘員が紛れ込んでおり・・・避難民を守る中国の装甲車にロケット弾が直撃し、乗っていた二人が死亡したそうです。
また、ウルグアイの宿営地でも、避難民が逃げ込んだ中に反政府勢力の幹部が紛れ込んでいて、砲弾3発が撃ち込まれ、隊長室が破壊されたそうです。
これに対して、ウルグアイの隣の宿営地にいたバングラデッシュの部隊が撃ち返したそうです。

ちなみに、自衛隊にも「身を守るために必要ならば撃て」という指示がだされていたそうですが・・・今なら、バングラデッシュ部隊同様に、「駆け付け警護}で反撃して、戦闘に巻き込まれたのではないでしょうか?

自衛隊員は「今日が命日になるかも」と、死を覚悟したそうですが・・・まさに危機一髪・・・・こんなに危ない状況だったなんて、想像もしていませんでした。
なんとか無事に、南スーダンPKOが終了して、良かったですね。

稲田防衛大臣は「法的な意味での戦闘行為はなかった」、「事実行為としての殺傷行為はあったが、憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではないことから、武力衝突という言葉を使っている」なんて国会で答弁していましたが・・・はたして、現地にいた自衛隊員は、どんな思いで聞いたのでしょうか?
番組で、隊員の一人が「本当の真実を討議して 投げかけて判断するのは国民ですから」と言っていましたが・・・PKO派遣や武器使用の賛否など、人によって色々な意見があると思いますが・・・真実を隠して誤魔化すのは良くないですね。