シリア攻撃

ニュースによると、アメリカのトマホーク・ミサイル59発によるシリア政府軍の空軍基地への攻撃があったそうです。
習近平国家主席との米中首脳会談の真っ最中なので、はっきり言って、驚きました。

オバマ前大統領と違って、トランプ大統領は何をしでかすか判らない、という印象を、世間に植え付けたようです。

しかし、事の良し悪しは別にして、このニュースを聞いた時、上手いやり方だと思ってしまいました。
本当は、充分に考慮して実施された作戦なのではないでしょうか?

実は、今回の米中首脳会談は、アメリカにとって不利ではないか?と、思っていたのです。

この会談に対する、警告だとも言われていますが・・・ここのところ、エスカレートする北朝鮮による、ミサイルの発射により、米国は、中国に北朝鮮への制裁を強めるよう頼まざるをえないのです。
そのため、貿易摩擦はおろか、南シナ海への海洋進出についても、強い態度に出れない状況なのです。

ちょっと荒唐無稽かもしれませんが・・・私は、中国と北朝鮮が組んで、瀬戸際外交をやっているのではないか?とも思っています。
つまり、首脳会談で有利に進めるために、中国が北朝鮮をそそのかして、直前にミサイルを発射させているのではないかと?疑ってもいるのです。

ところが、シリアへのミサイル攻撃で、状況が一変しました。
中国が制裁を強化しなければ、北朝鮮への武力攻撃もあり得る、という意思表示だけでなく・・・トランプ大統領は何をしでかすか判らないという印象を与えて・・・アメリカの足元を見るように行っていた南シナ海への進出も、これからは簡単にはいかないと、躊躇させる事になるでしょう。

ちなみに、シリアへのミサイル攻撃は、事前にロシアへ通知していたそうです。
トランプ大統領は親ロシア派だという事で、ここのところ図に乗っていたアサド政権への対処として・・・ロシア政府も空軍基地ひとつに限っての攻撃ならば、やむなしだったのではないでしょうか?
そもそも、ロシア政府は、シリアやクリミア問題などで国際的に批判を浴びて、制裁を受けているので・・・親ロシア派のトランプ大統領との関係を壊したくないだろうし・・・米中首脳会談の結果、これ以上中国が台頭するような事は望んでいないでしょうから。

さすがに、中国と北朝鮮に対抗するため、予め米露で組んで、今回のシリアへの攻撃を計画していたなんて事はないと思うのですが・・・