ベビー・ブーマーの終焉?

今日は、やはりドナルド・トランプ氏の当選が確実になった事について書きたいと思います。
ヒラリー・クリントン優位と伝えられていましたが、隠れトランプ支持者がいるので、イギリスのEU離脱の様に、意外な結末もありえる、と思っていたら、まさにその通りになりました。

先日も書きましたが、隠れトランプ支持者は、ヒラリー・クリントンに象徴される富裕層への反発であり、心からトランプ氏を支持しているという訳ではなさそうです。
それにしても、ここまで隠れトランプ支持者が多いという事は、それだけ現在の政治体制への不満があったという事だと思います。

トランプ氏が、これまで表立って公言できなかったような、移民排斥や保護貿易等を主張したのは、パンドラの箱を開けてしまったと言われています。
このため、自由の国アメリカという幻想は、崩壊してしまって、2度と元に戻らないような気がします。

最近、若者の車離れ、音楽離れ、ジーンズ離れ等があったり、大物ミュージシャンの死やボブ・ディランノーベル賞受賞のような、時代が変わったように感じる事が多いです。
そもそも、これらの文化は、ベビー・ブーマー(日本では団塊のお世代)による、1960年代の若者文化が元になっています。
そういえば、移民問題が発端でEU離脱を決めたイギリスも、アメリカと並んで、当時の若者文化を主導した国でしたね。

そして、その若者文化の思想が、人種差別のない社会や自由貿易を理想としていたのですが・・・そのベビーブーマーが作り上げた社会が終わりを告げようとしているような気がします。
当時の公民権運動があったからこそ黒人のオバマ大統領が誕生したのですが・・・そのオバマ大統領から人種偏見のトランプ氏にバトン・タッチをするというのも皮肉ですね。
ちなみに、ヒラリー氏の夫であるビル・クリントン氏は戦後生まれの初の大統領という事で、ベビー・ブーマーを代表していましたが・・・・トランプ氏も同い年で、ベビーブーマーの一員ですね。

トランプ氏が大統領になっても、その政策実行力は乏しく、あまり変わらないという見方もありますが・・・アメリカ人の意識が変わることにより、ベビー・ブーマーが作った社会から抜け出し、新たな社会が現れるような気がします。

はたして、日本でも、団塊の世代が作り上げた社会から、変わるのでしょうか?

トランプ氏は、プーチン大統領を尊敬しているというので、ロシアとの関係も変わると思われます。
現在、アメリカ主導のロシア制裁の陰で、北方領土交渉を進める日本政府としては、良い傾向かもしれません。
また、自衛隊の増強など・・・意外と、安倍首相にとっては、嬉しい主張かもしれません。
もっとも、安倍政権の足元を支えているアベノミクスは、崩壊の危機を迎えているみたいですね。