昨日は、土曜日に放送されたNHKスペシャル「マネー・ワールド 資本主義の未来 第2集 国家VS.超巨大企業~富を巡る攻防~」について書きました。
グローバル企業は、個々の国家の統治が効かなくなり、G20の国家とも肩を並べるぐらいの、影響力を持つようになってしまいました。
今日は、昨日書けなかった、日曜日に放送された第3集「巨大格差 その果てに」について書きます。
番組によると、現在は空前の格差の時代となっていて、世界の上位62人の資産が、下位の36億人と同じという状況だそうです。
豊かな国と思われているアメリカでも、7人に1人が生活困窮者となっているとか。
社会主義が資本主義と対立していた時代は、資本主義でも対抗上、福祉などに力を入れ、貧困の少ない社会を創り上げていました。
しかし、番組の中で経済学者が語っていたように「振り子が振れすぎた 格差はプラスの影響をはるかに超えてしまった。」のです。
経済が成長する時、富裕層の資産は大幅に増えますが、貧困層の資産も少ないながら増加し・・・格差は広がりますが、社会全体は繁栄する。というトリクルダウン理論がありますが・・・経済成長の規模が少ないと、富裕層で吸収されて、貧困層にまでは行き渡らない、という話は、まさにアベノミクスによる現状を意味しているようです。
番組である金持ちが「貧困層が所得を増やして中間層に入れるようにしたい。投資家や実業家にとっても良い事です。お店で物やサービスを購入できる中間層の人々が増えるからです。」と、主張していました。
富裕層だけでは、食糧や製品を作り出すこともできませんので・・・まさに、今の富裕層は、宿主を殺してしまう寄生虫に近づいているのかもしれません。
番組では、解決策として、みんなの利益という価値観を持つとか、共有型経済といった事を話していましたが・・・私は、はるか昔にシューマッハが唱えた仏教経済学を思い浮かべていました。
仏教では、足るを知るので、必要以上の収入を得るための競争はしません。
振り子が振れすぎることがない、まさに中道の精神です。
また、利自よりは利他の精神を重んじます。
はたして、一億総活躍社会とか言って、経済的な豊かさを追い求めるのが、正しい道なのでしょうか?