資本主義の未来

一昨日と昨日のNHKスペシャルは「マネー・ワールド 資本主義の未来」の第2集「国家VS.超巨大企業~富を巡る攻防~」と第3集「巨大格差 その果てに」というものでした。
先週の第1集「世界の成長は続くのか」が面白かったので、興味深く拝見しました。

一昨日の第2集では、規制緩和で出現した巨大なグローバル企業と国家の関係でした。
冒頭で、国別の歳入ランキングに企業の収入を当てはめてみたリストが登場しました。
グローバル企業の収入が、小さな国家より上回る事は想像できたのですが・・・1位の企業(米ウォルマート)の収入が、ランキングの10位に入ったのには驚きました。
ちなみに、11位はスペイン、12位はオーストラリアでした。

先日の都知事選の時に、東京都知事は小さな国の元首より力を持っているなんて言っていましたが・・・G20の国家なんかより影響力がある企業が数社あるのです。

特に問題となるのが、税金の安い国の現地法人で納税する租税回避、全世界で2400億ドルにも上り、例えばアップルが納税したのは、全世界で税率0.005%だけだったそうです。
租税回避のため、国の収入は減って、利益の上がらない公共事業などへの再分配ができなくなっているそうです。

また、ISD条項により、国家が企業により訴えられることが増え、エクアドルは係争中の損害賠償額が国家予算の5割にのぼるそうです。
今後、日本でもTPPの同様な条項により、保険制度が海外の投資を阻害している等と訴えられる可能性があります。

そもそも、企業がグローバルに活動しているのに、国家は国内にしか規制できないため、企業活動をコントロールすることができなくなっているそうです。
対策としては、世界政府のような超国家組織で統治する必要性があるのですが・・・イギリスのEU脱退のように、国家の足並みが揃っていないのが現実です。

現状でも、小さな国家では、グローバル企業の影響を受けて国民の生活を犠牲にせざるを得ないようですが・・・この調子で、グローバル企業の巨大化が進むと、全世界的に影響を逃れないようになってしまいそうな気がします。
将来は、国による統治ではなくて、企業による統治になるのかもしれません。

長くなってしまったので、昨日の第3集については、明日書きます。