天安門

昨日の正午過ぎ、中国国内で、天安門事件から27年目を伝えるNHKの海外放送が1分半に渡って、中断したというニュースがありました。
なんでも、突然、テレビの画面が真っ黒になって無音になったそうです。

また、天安門広場周辺では、大勢の武装警官が配置されたとか・・・遺族の墓参りが監視された中で行われた・・・なんて、ニュースもありました。

相変わらずの言論統制で、中国政府の体制批判に対する神経質な対応は、逆に考えれば、政権に対する自信の無さ、を表しているような気がします。

以前から、中国国内のインターネットでは、1989年6月4日に発生した天安門事件を意味する「六四」という言葉は検索できない、という事は有名な話です。
そういえば、習近平に似ているから、クマのプーさんも検索できないとか・・・異常ですね。

もっとも、15年ぐらい前に、私が天安門広場に行ったときは、戦車のキャタビラの跡が残っている、なんて言っていたので、それほど言論統制がされていなかったような気がします。
とすると、その頃よりも、規制が強まっている・・・つまり、政権が悪くなっているのかもしれません。

あの時は、この広場で、あの悲惨な事件が起きたんだ・・・と、感慨にふけったものでした。
以前も書きましたが、天安門事件における、タンクマン(無名の反逆者)や学生らの行動には、強い印象を受けたものです。
当時は、日本でも、連日、広場の状況が報道されて・・・中国でも民主化が進むのか?と、興味を持って見ていたのを覚えています。

確か、前日の夜には、北京周辺に人民軍が終結している、というニュースが流れて・・・・武力介入するのか?という感じだったのですが・・・翌朝、テレビを点けたら、未明のうちに天安門広場に戦車が突入した後でした。
あれから27年経ったのですね・・・市場経済が進めば政治体制も変わるのでは?と、思っていたのですけど、そうはならなかったですね。

そういえば、天安門事件を象徴する、タンクマン(無名の反逆者)の映像ですが・・・どうみても、昼間の映像で、不思議に思っていたのですけど・・・あれは、天安門広場に突入する戦車の行く手を遮ったのではなく、翌日(6月5日)に、広場から撤収する戦車の行く手を遮った映像でした。

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天安門の渦潮 資料と解説/中国民主化運動」 加々美光行編 村田雄二郎監訳 岩波書店

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『「天安門」十年の夢』 Tan Romi著 新潮社