新・映像の世紀

今日もNHKスペシャルについての話題です。
昨日、放送されたシリーズ新・映像の世紀「若者の反乱が世界に連鎖した」は、とても興味深かったです。

何と言っても、このシリーズの100年の映像の記録で、やっと自分の生きた時代が取り上げられたからです。
1960年代には子供だったので、深く意味を考えた事はありませんでしたが、おぼろげながらも記憶に残っている事がありました。
もちろん、その後の70年代から90年代にかけての事は、はっきりと覚えています。

タイトルにある若者は、戦後のベビー・ブーマーです。日本でいえば団塊の世代ですね。
第二次世界大戦が終わって、多くの兵士が戦場から帰還し、将来の不安が取り除かれた事により、みんなが子作りに励んだ結果、大量に赤ん坊が生まれたのです。
(ちなみに、日本では、内地への引き上げに時間がかかったり、戦後の食糧難とかもあったので、他の国より少し遅れてベビー・ブームが起こっています)

で、戦争に懲りた親たちは、子供達に平和や自由の大切さを言い聞かせたので・・・ベビー・ブーマー世代にはラヴ・アンド・ピースの思想を持つ人が多くなりました。
アメリカ等の戦勝国では、力による勝利の大切さを言い聞かせた親たちもいたので、ネオコン思想を持つベビー・ブーマーも生まれました)

1960年代になると、そんなベビー・ブーマー世代が大人になり、体制に反発し、反戦運動を起こすようになったのです。

番組の冒頭では、1967年の史上初の世界同時衛星中継番組であるアワー・ワールドの映像が流れ、有名なビートルズによる「愛こそがすべて」の演奏が流れます。

そして、1968年のワシントン暴動の映像の後に、ワシントン大行進でボブ・ディランが「風に吹かれて」を演奏するシーンが流れるのですが・・・あれは1963年の事なので、ちょっと変でした。

ミュージシャン絡みでは、先日亡くなったデビッド・ボウイが、1987年にベルリンで開いたコンサートで、東側に向けて演奏した「ヒーローズ」の映像も流れるのですが・・・ベルリンの壁の東側に集まった若者の映像は初めて視ました。
東ドイツでは、許可のない集会は禁止されていたのに・・・「ここから出せ!俺を出してくれ!この野郎!とにかく俺を出してくれ!」と叫ぶ声には、感動しました、

そして、ベルリンの壁の崩壊、チェコ・スロバキアビロード革命といった具合に、東側の体制は崩壊します。
その原因の一つに、西側のTV放送が東側でも見れるようになっていた事を挙げていました。

ちなみに、昨日の「映像の世紀」の放送は、中国でも見れたそうですが・・・文化大革命劉少奇国家主席の失脚とか天安門事件の映像の時は当局の検閲が入って真っ黒だったとか・・・こうやって時代の流れを見てくると、現在の中国は時代遅れといった感じが否めません。

そういえば、天安門事件の、お馴染みのタンクマンの映像は、やはりすごい勇気だと思わされ、映像の持つ影響力は大きいと思います。
もちろん、上で述べたビートルズボブ・ディランデビッド・ボウイのようなミュージシャンによる音楽の影響力も凄いですね。

アポロ11号マイケル・コリンズの言うように、宇宙から見れば、国境も無く、何も聞こえない・・・資本主義者も共産主義者もなく、金持ちも貧乏人もいない、青と白の世界があるのみ・・・・世界は、見える通りになるべきだと思います。