参禅入門

かなり前になりますが「道元のみた宇宙」(岩田慶治著)という本を読んだ事を書きました。
興味深かったのですけど、なかなか難しい内容の本で、禅について知らないと理解できないのかもしれないと思いました。

そんな訳で、ゴールデン・ウィークで時間に余裕があったので、禅について知ろうと思って「参禅入門」という本を読んでみました。

入門とあるだけ判りやすい内容ですが・・・流石にちゃんとした座禅をするのは難しいです。
それでも結構雰囲気はつかめて、改めて、自分の姿勢の悪さと呼吸の悪さを認識して、反省しました。

座禅をするのは、精神を鍛えるためとか健康のためのように、人によって色々と目的があるそうで・・・私なんかは、単純に、悟りを開くためではないか?なんて思っていたのですけど・・・それは未だ小乗禅の段階で、さらに大乗禅、最上乗禅という上の段階がある事を知りました。
ちなみに一番下の段階が外道禅、そして凡夫禅、その上が小乗禅になります。

座禅をしている高僧の脳波を調べると変動しない、なんて言われたり、無念無想とか空の境地などというのも誤解のようで、説明を読めば、素人の思い込みだった事が理解できます。

もちろん、座禅だけでなく、禅に関する話のあれこれが載っていて、とても参考になりました。

「日々これ好日」の意味も知って、自分としてはその境地になりたいと思っているのですけど・・・実際は難しいですね。
もっとも、人生は山あり谷ありだからこそ面白いから、この世は天国だと思っているので、ちょっと近い心境のような気もします。

余談ですけど、アメリカで見かけたホリデー・インに「好日飯店」と書かれていたのを思い出して・・・「日々是好日」を毎日が休日という様に連想してしまいましたが・・・それもまた、考えようによっては、良いかもしれませんね。

また、宗教の分類で 「神人懸隔教」と「神人同格教」があり、人と神の間の隔たりに限らず、さらに「一切衆生ことごとく仏性有り」というようなるというのですが・・・私は、生きていないモノにも魂が宿っていると思っているので、さらに進めた捉え方をしているような気もします。

といった感じで、自分が普段思っている事にも当てはまる事が多く、その点は、座禅をしなくても判り易かったです。

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「参禅入門」 大森曹玄著 春秋社