若冲展

以前、NHKの特集を視て、東京都美術館で開催されている若冲展を見にいきたいな、と思ったのですが・・・普段は時間的に余裕がない事が多いので、見に行くことにしました。
GWなので、ある程度の混雑は予想していたのですが・・・予想以上に混雑していました。

上野駅でチケットを購入しようと思ったのですが、結構並んでいたし・・・それよりも改札がめちゃ混みなので、買わずに美術館へ向かう事にしました。
改札をやっと出ても、動物園へ向かう家族連れとかで、人が一杯・・・国立西洋美術館のカラヴァッジョ展にも行列ができていたので、ヤバイ気がしました。

案の定、東京都美術館には、それを遥かに上回る行列・・・それも、チケットを既に持っている人で、チケットを買うのは別の行列・・・駅で買わなかった事を後悔しました。
屋外に特設された券売所で買うまでに30分・・・その頃には、チケットを既に持っている行列は、さらに長くなっていて・・・こちらでも90分待ちました。
さすが、テレビの影響力は凄いですね。
そういえば、会場でも、テレビでやっていた説明を、一緒に来た人に話している方を結構見かけました。

もちろん、会場内も混雑していて、ゆっくり見れなく、展示作品に近づくのも大変という有様です。
若冲の場合、精細な描写が多いので、他の展覧会に比べると、特に作品に近寄っている人が多い気がしました。

でも、近寄らない事で、気づいた事もありました。
それは、精細に描いている絵よりも、水墨画とかのように、さっと描いている絵の方が生き生きしているように見えるのです。
精細に描いている絵は、飼っていたという鶏などはまだしも、それ以外の生き物は、まるで図鑑の絵ような感じがしました。
特に、海の中の生物とか・・・おそらく、釣り上げた後などを描いたのでしょう・・・凄く詳しく描かれているのですが、生き生きしていません。
これは、対象を正確に描く事に注力して、生き物らしい動きなどのダイナミックさを描く事には、そんなに気を使っていないせいだと思います。

虫食いの葉っぱなどをリアルに描いているのも、単に対象を観察してありのままに描いているみたいだし・・・若冲って、学者的な要素があったような気がいます。
そう考えると、色々な技法を試みていた事も理解できます。
もちろん、その精密な描き方は、人間業とは思えないほどの超絶技巧なので、ある意味芸術的だともいえますけど。

象とか虎とか、見た事の無い生き物は、そんなに似ていないけど、迫力があって生き生きとしています。
そういった意味では、芸術家らしい要素もあるので、若冲は学者と芸術家の両方を兼ね備えていて、使い分けていたような気がします。
琳派にみられるようなデザイン性がある作品もあるし、精密さ、正確さのような技巧に注目が集まり易いですが・・・色々な側面を持った画家だったのですね。

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若冲展 図録

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若冲展 チラシ 作品リスト チケット