しのびよる老後破産

昨日、NHKスペシャルの老人漂流社会シリーズで「団塊世代 しのび寄る”老後破産”」と言う番組をやっていました。
団塊の世代よりは下の世代ですけど、興味深い内容でした。

一般的に団塊の世代は裕福と言われていますが・・・裕福とは一律に言えないケースがあるようです。

団塊の世代は、1,000万人いるそうですが、その中には、介護する親がいるのが28.7%、経済的に支援が必要な子供がいるのが31.7%もあるそうで・・・さらに、両方の2重のリスクを抱えた世帯も少なくないそうです。
ちなみに、親と同居している未婚の子供は全国で308万人 このうち失業などが62万人 非正規雇用などで収入が不安定なのが51万人だとか・・・

埼玉県の4つの団地でアンケートを取ったところ、回答のあった270世帯のうち、介護が必要な親のいる世帯が55世帯あったのですが、そのうちの9割の45世帯が子供の暮らしも支えているという結果だったそうです。

番組では、「老後の蓄えを充分にできなかったケース」、「一旦、独立した子供の面倒をみるという想定外のケース」、そして「2,000万円以上の貯蓄があっても老後破産の可能性があるケース」の3つを紹介していました。

このうち、最初と2番目のケースは、上記の2重のリスクのパターンで、老後も年金だけでは足りなくて働いていているそうです。
最後のケースは、母親の介護だけで精一杯のため、働いておらず自分の老後の蓄えを切り崩してしまったケースになります。

団塊の世代は40代後半にバブルが崩壊し、その後賃金が下がり続けていて、人生設計が狂ってしまったそうで、なかでも、10人に一人がリストラされたり、あてにしていた退職金がほとんどない場合もあるようです。

団塊の世代よりは下ですけど、私なんかも、バブルの崩壊により賃金の上昇は無くなってしまい、退職金もそんなに貰えそうもないし、将来貰える年金も少なくなってしまったので、老後の暮らしが心配です。
もっとも、子供がいないので、私には2重のリスクの心配はないのですけど・・・現在も母の介護をしていて、最後のケースのようになってしまいそうです。

ちなみに、最後のケースの母親は認知症という事で、私の母とよく似た状態のように見えました。
耳が遠い事もあり、会話が成り立たなかったり、足腰が弱くて、しょっちゅう外に出て徘徊します。
着替えをしたり、朝晩オムツを替えたり、食事を作って食べさせたり、お風呂に入れて洗ってあげたり・・・
映し出されたケアプランによると要介護4という事で、それも同じです。

もっとも、母は足腰が弱いため徘徊しても遠くにいかない事もあり、ちょっと心配ですけど、一人残して、私は仕事に行っています。
最後のケースの人は、私よりも高齢だし、切り崩せる貯金もあったからかもしれませんけど・・・最後のケースの人に比べると、私は、ちょっと非情なのかな?なんて思ってしまいました。