ビデオオンデマンド

昨日は、コンピュータ・グラフィックスの仕事をしていた頃の事を書きました。
当時のCG制作は、信じられないくらい時間がかかり、根気のいる作業でした。

私は、どちらかというと、せっかちで早く結果が知りたい質なので、向いていなかったようです。
それと、仕事だと、自分の作りたいCGを、好きなように作れるわけではなかったので、なまじ、創造的な映像が出来ることが判っているだけに、ストレスが溜まってしまいました。

当時は、マルチメディア(今では死語?)という言葉がもてはやされていて、その中でもビデオオンデマンドに注目が集まっていました。
(ビデオオンデマンドという言葉も死語でしょうか?・・・映像配信と言った方が良いかもしれません)

私がCG制作に使っていたのがシリコン・グラフィックスのワークステーションだったのですけど・・・そのシリコン・グラフィックス社と提携して、ビデオオンデマンドのシステムを作るという話があって、使っていた経験を買われて、そちらの仕事をするようになりました。

ちなみに、その時に使ったのは、コンテンツ制作がOnyxというワークステーションで、ビデオオンデマンド・システムはChallengeというサーバーでした。

昔は、コンピュータの処理速度が低く、HDDの容量も小さかったので、コンピュータ・グラフィックスを作るのが大変だった、という事を昨日書きましたが・・・ビデオオンデマンドでも、同じようにコンピュータの性能やHDDの容量が乏しかった上に、ネットワークも非力だったので苦労しました。
今では、スマホとかでも高画質の映像が見れるのが、まったく信じられないです。

結局、採算がとれないという事で、そのビデオオンデマンドは商業化にはなりませんでした。
なにしろ、商業的なライバルがレンタル・ビデオだったのですから・・・とても価格的に太刀打ちできるわけありません。

もっとも、シリコングラフィックス社の外人さんが、職場にちょくちょく来たりして、個人的には良い経験になりました。
そういえば、さすがにシリコングラフィックス社だけあって、システムのオープニングCGを作ったのが、当時、ILMに次いで人気のあったリズム&ヒューズだったなんて、元CG制作をやっていた者にとっては、信じられない出来事もありました。