コンピュータ・グラフィックス

昨日は、ロバート・ハインデルの息子のトッド・ハインデルについて書きました。
トッド・ハインデルは、画家になる前、ILMでCGを作っていたそうです。

かれころ25年ぐらい前にCGを制作する仕事をしていたのですが、その頃から、ILMといえば憧れの存在でした。
確か、以前も書いたと思いますが・・・ラスベガスで開催されたSIGGRAPHで受けたセミナーは、PixerとILMのもので・・・その後、この二つは、CG界をけん引するプロダクションになっているので、かなりラッキーでした。

当時のCGといえば、CPUの処理能力も低く、グラフィックスの計算は特殊なハード(グラフィック・エンジン)で行うシリコン・グラフィックス社のグラフィック・ワークステーションを使用しても、1枚の画像を描くのに5~20分ぐらいかかるというありさまでした。
つまり、ビデオでいうと1秒間に30コマの画像があるので、1秒間の映像を作ろうとすると、2時間半~10時間ぐらいかかったのです。

もちろん、HDDの容量も少なかったので沢山の画像を保存できなくて、ビデオデッキをリモートで操作して、画像が1枚出来上がると、ビデオデッキで1コマ録画する、という事を繰り返して映像を作っていたのです。

ちなみに、最初に使ったグラフィックワークステーションは、パーソナルIRISという機種で、それまでの大型のワークステーションを小型にしたものだったそうで・・・・この機種を個人で購入してCGプロダクションを辞めて独立したCGクリエイターが沢山いたそうです。

これ1台の時は、昼間にモデリングとか動きの設定をして、夜間はワークステーションが自動で画像の計算を行ってビデオに記録する、という使い方をしていました。
そんな訳で、翌日の朝、出来上がった映像を見て、出来上がりに一喜一憂していたのを憶えています。

その後、モデリングとか動きの制作はIndigo2というマシンにして、画像の計算はCrimsonというマシンに分担するようになって、並列で作業できるようになりました。

それでも、1分間(1800コマ)の映像を作るのには、1か月ぐらいかかっていたような感じだったので・・・当時、ILMやPixerのような一流のCG作品を作るのは、作り直しなども考えると、かなり時間がかかったと思われます。
もちろん芸術的なスキルやコンピュータのスキルも必要ですが、かなりの根気もCG制作者には要求されていたのです。

というわけで、私にはつとまらなかったのですが・・・現在は、コンピュータの性能も上がって、CGソフトも良くなっているみたいなので、またCG制作をやってみたい気もしています。