リアルな恐竜

日曜日のNHKスペシャルは「恐竜超世界」の第1週目である「見えてきた、ホントの恐竜」というものでした。
最近の発見などにより、これまで信じられていた恐竜とは違った恐竜が紹介されていました。

番組を視て、一番驚いた事は・・・恐竜についての新常識ではなく、CG技術の進歩でした。
昔、CGを制作する仕事をしていたので、その頃を考えると、雲泥の進歩ですね。

そういえば、当時のCGの最先端をいっていたのが、スター・ウォーズやターミネータなんかで有名なILMでした。
で、ILMIによる恐竜のCGといえば、「ジュラシックパーク」で・・・これも、封切当時、そのリアルさに世界は驚いたものです。

実は、封切前に、ILMの人の講演を聞く機会があり・・・映画の一部の映像を使って、制作時の苦労話なんかを知る事ができました。
恐竜の動きは、野生動物の動きを観察したそうで・・・また、実際にスタッフが走った映像を参考。に、恐竜を走らせるCGを創ったそうです。
そうしたら、スタッフの一人が、倒れた木を飛び越えようとして、つまづいて転んでしまったので・・・CGで作った恐竜も、同じところで転ぶ事にしたそうです。
スタッフが転ぶ映像と、出来上がった恐竜が転ぶCGを見せられて、会場は大爆笑でした。
今回の番組のCGを創るうえでも、リアルに見せるために、おそらく同様な苦労があったのではないでしょうか?

それにしても、既に常識になっていますが、羽毛の生えた恐竜って、セサミストリートビッグバードみたいで、今一つな感じがします。
やはり、爬虫類っぽいウロコに覆われていないと、凄みが足りない気がして・・・カッコ悪くて、子供たちの人気も低下してしまうのではないでしょうか?

そういえば、昔、子供がカラフルな恐竜の絵を描いたら、母親が、恐竜ってそんな色ではないと叱るけど・・・恐竜の想像図って、現在の爬虫類を元に描いているだけで・・・学者に言わせると、恐竜がどんな色をしていたかは判らない、大きさを考えると保護色なんて意味が無いから、カラフルな色だった可能性もある・・・という話を聞いた事があります。

なんか、今回の番組をみたら・・・羽毛が生えているという事になった途端、鳥と同様にカラフルな色の恐竜が描かれるようになってしまったみたいです。
以前は、爬虫類を参考にして恐竜の姿を想像していましたが・・・今は、逆に鳥を参考に恐竜の姿を想像しているようで・・・こちらも、実際は違っている可能性もありそう・・・間違ったイメージを植え付けそうな気もします。

そういえば、番組では、鳥の脳は神経細胞が多いので、恐竜も脳のサイズから想像できる以上に、知性が高かったと言っていましたが・・・鳥は、空を飛ぶために軽量化の進化をしたので・・・未だ空を飛べないかった恐竜の脳が、そんなに効率的で軽量だったとは考えにくい気がします。

あと、リアルなCGだったのですが・・・鳴き声が今までの恐竜と同じような効果音を使っていたのが、ちょっと気になりました。
鳥みたいな口をした恐竜は、どんな鳴き声をしていたのか?鳴き声こそ、骨格から、再現できそうな気もするのですけど・・・