セルロイド

昨日は、Nik HuberのFlying Dolphinを紹介しました。
新品のギターでも、職人が愛情をこめて手間暇かけて製作したものには、魂が宿っているように感じるものがあります。

もちろん、古いギターの方が、今のギターよりも職人によるハンドメイドの製作過程が多く、また、以前の持ち主にも愛されたギターが多い分、魂が宿っているように感じるものがあります。

このように、魂が宿っているように感じるギターは大事に扱ってあげなければいけないと思うのですが・・・
コレクターの中には、温度や湿度を管理した保管ケースに入れている方もいますが。私は、あまり丁重に扱っていません。
普通に、ハードケースに入れて保管しているだけです。

単に、そこまで手をかけるのが面倒というのもあるのですが・・・
それが、ギターに対する普通の扱い方だから、別に特別扱いしなくても、それで良いと思うのです。

魂が宿っているように感じるギターは、新品もありますが、以前の所有者によって愛用されたためボロボロな物も多いです。
で、そのボロボロな状態が、そのギターの魅力の一部だと思っています。
だから、普通に保管していて経年変化が起きるのは、そのままギターのあるべき姿だと思うのです。
もちろん特にひどい扱いはしませんし、使っていて不都合が生じるようなものは修理します。

そういえば、困るのが、ギブソンの高級機のピックガード等に使われているセルロイドの経年変化です。
ご存知のように、セルロイドはプラスチックと違い自然素材を原料としています。
このため、経年変化で崩壊する事が多いのですが・・・新しい物に交換するべきか悩んでしまいます。

ちなみに、セルロイドは燃えやすいため、現在は使われていません。
昔の、映画フィルムがよく上映中に燃えたのは、フィルムの素材がセルロイドだったからです。
私が高校生の時、16ミリ映写機を操作するために、講習を受けて資格証を交付して貰わなければならなかったのですが・・・これもフィルムの取り扱いが要注意だったからです。

さらに、余談ですが、セルロイドの原料の樟脳は、戦前、日本の主要輸出品だったそうです。
なんでも、日本が統治していた台湾で、プランテーションにより、大規模に栽培していたそうです。

イメージ 1
以前、紹介した7弦のギブソン・スーパー400のピックガード
白く透明な部分から崩壊が始まっています。

イメージ 2
こちらは、珍しいエピフォンのエクセレンテのピックガードが付いたギブソンのJ200
かなり、ピックガードが崩壊しています。

イメージ 3
1970年製のギブソン・ダヴ
この時代になると、崩壊するピックガードと崩壊しないピックガードが混在しています。