カラマズー末期のレスポール・モデル

昨日は、ギブソンのカラマズー工場の末期について書きました。
この時期、カラマズー工場では、基本的にアコースティックやフルアコの製造を行っており、ソリッド・ボディやセミアコナッシュビル工場で作られていました。

したがって、カラマズー工場でこの時期に作られたソリッド・ボディは、カスタムショップの前身であるリペア&カスタムオーダー部門で作られた可能性が高いです。

この時期に、カラマズー工場で作られたレスポールとしては、有名なレスポール・カラマズー(K.M.)やレスポールCMT(カーリー・メイプル・トップ)があります。
レスポールCMTは、1968年以降の再生産レスポールとしては、オールド同様にブックマッチのカーリ・メイプルが使われていることで有名ですが・・・
これは復刻版を意識したというよりも、閉鎖が決まったカラマズー工場に大量に保管してあった、高級フルアコ用のカーリー・メイプル材を使ったと考えれます。

レスポール・カラマズーやレスポールCMTは生産本数が多いので、通常のラインでも作られた可能性がありますが・・・
ナッシュビル工場で復刻版を意識して作られたレスポール80(ヘリテイジ)シリーズに対して、カラマズー工場からの返礼として作られたレスポール・スタンダード’82は、リペア&カスタムオーダー部門で作られたのが確実だと思われます。

また、この当時多かった、楽器店によるカスタム・オーダーのレスポールも当然、リペア&カスタムオーダー部門で作られました。
あと、初期のレスポール・リイシューにもカラマズー工場製が若干ありますが・・・どうも、楽器店からのオーダー品を流用したような感じがします。

これらの、カラマズー工場末期に作られたレスポール・モデルは、リペア&カスタムオーダー部門の優秀な職人によって作られて、ストックしてあった良質な木材を惜しげもなく使っている可能性が高いです。
そして、、リペア&カスタムオーダー部門の年配の職人は、オリジナルのレスポールの製造に携わっていた可能性もあると思います。

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ギブソンレスポールCMT 1980年製

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ギブソンレスポール・スタンダード’82 1981年製

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ギブソン・レオズ・ヴィンテージ 1982年のカラマズー工場製
レオズ・ミュージックのカスタム・オーダー品
600本程度作られたが、後半はナッシュビル工場製となります