前回は、1984年前半に作られたリッケンバッカー325V63の先行試作機について書きました。
ジョン・レノンの325を制作した職人が倉庫に残っていたレフトオーバー・パーツを使って手作業で組み上げたという話です。
思えば1980年代前半といえば、ヴィンテージ・ギターのブームがあり、各メーカーが色々なリイシューを作成し始めました。
現在のリイシューに比べると、再現度は今一つでしたが、本物のヴィンテージ・ギターが作られていた50年代、60年代から、それほど年数が経っていない事もあり、工場には
古い職人が残っていたなんて話もあり、なんとなく雰囲気が本物に近い印象を受ける事が多いです。
何回か取り上げましたが、ギブソン社でも古いカラマズー工場で作られた初期のレスポール・リイシューの類には、良い物が多いです。
当然、リイシューを作るとなると、工場に残っていた古い職人にも声がかかって、製作に携わらなくてもアドバイスはするだろうし、工具も昔の物が残っていた可能性もあります。
その点、新しいナッシュビル工場ではNCルーターを使っていたので、同時期のリイシューでも今一つの物が多いです。
そのため、ナッシュビル工場製は、単に同じブランドが付いたコピー物といった感じなのです。
この点については、意外と知られていませんが・・・ドットポジションのES335のリイシューにあたるES335DOTにも言えて、初期のカラマズー工場製の物は同時期のナッシュビル工場製の物に比べると良い物が多いです。
ES335DOTは1982年の製造開始と書かれている資料もありますが、1981年製もあります。
また、当時は3ピース・ネックの物が多いですが、これは1ピースネックです。
初期のES335DOTに使われたラベルですが・・・カラマズー工場製、ナッシュビル工場製のどちらでも使われています。