ソルリエ

昨日は、川瀬巴水の版画を紹介しました。

そのなかで、初刷りとかにこだわっていない、と書いたのですけど・・・
刷りのバージョンによる違いもあることは確かです。

特に木版画の場合、刷りを重ねると版木が磨り減ることもあります。
でも、初期のバージョンの不具合を修正したりとかもあって、必ずしも後刷りの方が悪いということも無いような気もします。
だから、初刷りとかにこだわらなくても、良い物は良いという感じで、いいと思っています。

また、版画の場合には、刷り師(摺師)の力量による差もあります。
画家と共同で、刷り方を試行錯誤して、良い作品を作り上げることもあるそうなので、そういった意味では、初刷りの方が画家のイメージを忠実に再現している可能性が高いです。

そういった面からは、版画は画家と刷り師との共同作業と言っても良いかもしれません。
海外では、シャガールやビュッフェ等の多くの画家の版画を手掛けた、シャルル・ソルリエのように、有名な刷り師もいます。
そして、ソルリエが刷った版画というだけで、高い価格で取引されることもあるようです。

で、前置きが長くなりましたが、
シャルル・ソルリエの息子のピエール・ソルリエは画家になっています。
(フランスではそこそこ有名だとか)
ネット・オークションで、そのピエール・ソルリエの作品を見つけて、なんとなく気になったので落札してしまいました。

写真ではイラストっぽい軽い絵のように感じたのですが、ガッシュで描かれた実物を目にしたら、結構インパクトが感じられる絵でした。
父の影響で、幼い頃から有名画家たちと親交があったということですが、その経験が生かされているように思えました。

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「自画像」 ピエール・ソルリエ