コンデ・エルマーノス

ギターの材について、先日はアディロンダック・スプルースについて書きました。
スプルースの珍しい杢目といえば、ベア・クローがあります。

その名の通り、熊が引っ掻いたような杢目です。
もっとも、この杢目が注目を集めたのは、マーチンがギター・オブ・ザ・マンスのD45デラックスとかに使い始めたからのようです。
希少な杢目なのですけど、昔は、不良品扱いされていたようで、あまりギターには使われていませんでした。
むしろ、ちょこちょこっとベア・クローの杢目が入ったものが、普及品に使われていたりします。

我が家には、ベア・クローの杢目が入ったギターはないかと思っていたのですが・・・
調べてみたら、フラメンコ・ギターのコンデ・エルマーノスにベア・クローの杢目が少し入っていました。
おそらく、ジャーマン・スプルースだと思います。
ちなみに、サイド&バック材はシープレス(糸杉)で、ネック材はセドロだと思います。
もちろん、本格的なものではなく、コンデ・エルマーノスとしては普及版にあたるものです

例によって、楽器屋で中古品が目について、ふとフラメンコ・ギターも弾いてみたくなって衝動買いしました。
もっとも、コンデ・エルマーノスという名前は有名だったので知っていましたし、オレンジ色に塗られたコンデ・エルマーノス製のギターも、印象が強かったので記憶にありましたので、購入時にまったく考慮しなかったという訳ではありませんけど・・・

コンデ・エルマーノスはドミンゴエステソの流れを受け継いでいて、フェリーペ工房、グラヴィーナ工房、アトーチャ工房の物がありましたが、このギターはフェリーペ工房製です。
ありました、と過去形で書いたのは・・・近年、フェリーペ工房が二つに分かれたそうです。
なんでも、フェリーペ工房は兄弟二人で製作していたのが、それぞれ独立して、フェリーペ・コンデとマリアーノ・コンデとなったようです。
事情は判りませんけど、それぞれ特徴を出して発展してくれたらうれしいですね。

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Conde Hermanos トップ
判りづらいですが、ベア・クローの杢目が少し入っています

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Conde Hermanos バック
サイド&バックはシープレス製