ブレード・ランナー

昨日は、SF作家のフィリップ・Kディックについて書きました。

フィリップ・Kディックの作品は多いですが、代表作となると「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」となるでしょう。
それは、リドリー・スコット監督の有名なSF映画ブレード・ランナー」の原作ということもひとつの要因だと思います。

もっとも、映画が公開されるより前から、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」は、代表作のひとつでした。
私が、はじめて読んだフィリップ・Kディックの長編もこの作品でした。
何故かと言うと、この長いタイトルに興味を持ったのです。
このタイトルは、いかにもフィリップ・K・ディックらしい奇妙な感じで良いと思うのですが・・・
何故かリドリー・スコット監督はウィリアム・S・バロウズの作品から拝借して「ブレード・ランナー」というタイトルにしたそうです。

原作は1968年出版で、フィリップ・K・ディックの初期の作品と後期の作品の過渡期といった感じで、本格SFでありながら精神性の高い部分もあるという、両者の良い部分が上手くブレンドされている傑作だと思います。

ちなみに、登場するアンドロイドの型はネクサス6という名前で、スマートフォンの開発者にも、この作品に影響を受けた人が多いようですね。

映画は原作に忠実というよりは、原作を元にしてリドリー・スコット監督の美意識的な要素がかなり強く反映されていると思いますが・・・フィリップ・K・ディックの奇妙な世界観みたいなものは案外よく表されていると思います。
ちなみに、フィリップ・Kディックは映画の完成をまたずに亡くなってしまいますが、一部の出来上がった映像を見て満足していたそうです。

映画の方は1982年に配給されて、当初はスター・ウォーズやインディー・ジョーンズ等のハリソン・フォード主演ということで注目を浴びましたが・・・
SF映画の金字塔という現在の評価とは大違いで、当時のSF映画としては難解だったこともあり、不評で早々に打ち切られてしまいました。

私は、フィリップ・K・ディックのファンだったこともあり、期待して公開当時のロードショーを見に行ったのですが・・・それまでにないリアルな未来都市の映像など凄いと思いましたが、原作と違っている部分が多くてがっかりした記憶があります。

そういえば、リアルな未来都市と書きましたが、この作品の舞台は2019年なのです。
でも、人間と間違えるようなアンドロイド(レプリカント)は当分できそうもありません。
幸か不幸か判りませんが、あるのはスマートフォンぐらいです。

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ブレード・ランナー」 プログラム 松竹株式会社