偶像とクルアーン

昨日は、偶像崇拝について書きました。
これに関連して、また少し、イスラム教について知った事を書きます。

6世紀に成立したイスラム教は、それまでのキリスト教ユダヤ教も)をしのぐ必要がありました。
最後の預言者であるムハンマドが、天使ジブリール(ガブリエル)に聞いた話では、旧約聖書新約聖書は過去の預言者が聞いた啓示を元にしていますが、後に書物になる過程で多くの人の思惑的な手が入り、本来の教えとは違った物となっていることになっています。
だから、旧約聖書新約聖書は間違っており、クルアーンコーラン)の教えが本来の教えであるとしています。
もっとも、キリスト教は教会が権威を持つようになっており、本来の教えとはかけ離れていたのも事実です。
だから、イスラム教徒は旧約聖書新約聖書を信じるキリスト教邪教と考えているのです。

そんな訳で、イスラム教徒とキリスト教徒との対立の原因は、そんなところにあるのです。
そして、キリスト教国の国民で、その体制に不満を持つ人がイスラム教に改宗することが多いのだと思います。

偶像崇拝についても、もともとキリスト教偶像崇拝を禁止していました。
それを後の人がキリスト像などを作るようになったので、これも本来の教えと異なっていることになります。

もっとも、クルアーン自体もムハンマドの死後にまとめられたもので、さらに、何種類もあったのものを正しいと思われるものに統一した経緯もあると言われています。

でも、イスラム教徒はムハンマドが天使ジブリールから聞いた言葉をそのまま本にしたものと信じています。
だから、天使ジブリールから聞いたアラビア語以外のクルアーンは認めません。
そして、神の言葉がかかれた本だから、クルアーンを粗末に扱うことは許されません。
偶像ではなく、クルアーン自体が崇拝の対象となっているのです。