マルコムX

昨日は、キング牧師の事を書きましたので、今日はマルコムXについて書きます。
キング牧師は有名でしたが、マルコムXは映画化されて、はじめて存在を知りました。
もちろん、米国ではとても有名だったのですが・・・
やはり、日本に住んでいると人種差別への興味が薄かったように思えます。

この二人、とても対照的で興味深いですね。
キング牧師は非暴力不服従主義なのに対して、マルコムXは暴力的な攻撃性が特徴でした。
これは、キング牧師キリスト教なのに対して、マルコムXイスラム教というのも影響があったかもしれなません。
でも、もともとはキング牧師の父親と同様にマルコムXの父親も牧師でした。
キング牧師と違うのは、マルコムXの家が白人に放火されたり、父親が白人に殺されるというような幼少時代を過ごしたことでしょう。
その後、マルコムXの母親は頭がおかしくなってしまったため、里子に出され、不良へと成長し、刑務所で出会ったのが、ブラック・ムスリムというイスラム教の一種です。
これは、最初の人間は黒人であるという教えで、キリスト教は白人が黒人を支配するための宗教だとしていました。

過激な言動で知られたマルコムXですが、晩年のメッカ巡礼で白人と黒人が平等であることや、イスラム教のアフリカ諸国を訪れて本来のイスラム教徒のありかたを知り、考えを改めます。

もし、マルコムXキング牧師のように恵まれた環境で育っていたら、どうなっていたのでしょうか?
「私流のデモ行進のやり方とマーチン・ルーサー・キング博士の非暴力の行進のやり方がちがっていたように、目標への近づき方は違っていても、めざすところは常に同じである。」と語っています。
マルコムXキング牧師、この二人はやはり対にして考えるべきだと思います。

なお、二人とも暗殺されたのですが、その時は同じ39歳でした。奇妙な一致ですね。
そして、マルコムXのXは、祖先の奴隷に白人がつけた名字だからなのですが、本名はマルコム・リトル・・・
リトルとキングなんて、この二人の名字もなんとなく暗示的ですね。

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「完訳 マルコムX自伝」上・下 マルコムX著 濱本武雄訳 中公文庫