OMモデル

ネタがないので、久しぶりにギターの話です。

現在ではマーチンのOMはラインナップの一角を占めるモデルですが、私の若いころは違っていました。

というか、クラプトンがアンプラグドで000を使うまでは、マーチン=ドレッドノートといった感じでしたね。

 

さらに、000とOMって見た目が似ているので、それほど違いが認識されていませんでしたが・・弾いてみたら、全く違っていたので驚きました。

個人的には、000よりOMの方が好みです。

 

よくOMは000よりスケールが長い事が特徴として言われますが・・・実は、指板の幅も000より広くなっていました。

過去形なのは、最近では000の幅も広くなっていますし・・・000という名称でも、OMと同じスケールのモデルも登場しています。

おそらく、現代の演奏スタイルにOMはマッチしているのではないでしょうか。

 

ご存じのように、当初の14フレット・ジョイントはOMでしたが、その後000が12フレットから14フレットに移行したので、OMは1933年に製造されなくなりました。

戦前のOMの長所を再発見して、復活に貢献したのがショーンバーグ・ギターで有名なエリック・ショーンバーグ氏です。

 

1969年にショーンバーグ氏が当時バイトをしていたフォークロア・センターからマーチン社にOM-28を6本オーダーしました。

この時製造されたのが、SOM-28(スペシャルOM)という名称で、ハカランダのサイド&バックでエボニー指板にポジションマークがなく、フォワード・シフテッドですがノン・スキャロップドのXブレイシングでした。

 

さらに1977年にショーンバーグ氏は当時共同経営していたミュージック・エンボリウムからマーチン社にOM-45を6本オーダーしました。

この時製造されたのがSOM-45という名称で、インディアン・ローズウッドのサイド&バックでヘッドにトーチインレイ、スノウフレイクのポジションマークで、スキャロップドのフォワード・シフテッドXブレイシングでした。

この時、マーチン社は追加で50本のSOM-45を製造しましたが、こちらはヘッドはバーチカル・ロゴでヘキサゴンのポジションマークとなっていました。

 

そして、1年後の1978年にOM-45としてラインナップに復活します。

この時は前年に50本追加されと物と同仕様、ヘッドはバーチカル・ロゴでヘキサゴンのポジションマークですが、シリアルナンバーは406240以降になります。

もっとも、1981年以降は年数本しか製造されず・・・実質的なOMモデルの復活は1990年のOM-28の登場となります。

現在のOMモデルの位置づけから考えると、こんなに不遇の時代が長かった事が信じられませんね。

 

マーチンSOM-45(1977年製)とSOM-28(1969年製)

SOM-28のシリアル

SOM-45のシリアル