日本買い

ヴィンテージ・ギターが高騰しています。

円安の影響もありますが・・・さらに、日本の給与所得は10年以上も増えていませんが、外国では給与所得が上がっています。

その関係で、海外は物価も上がっているため、いつの間にか日本は物価の安い国になってしまいました。

で、外国の消費者から見れば、日本のヴィンテージ・ギター市場は安いので、日本から海外にヴィンテージ・ギターが流出している状況で・・・日本ではタマ数も少なくなってしまいました。

 

もちろん、ヴィンテージ・ギターに限らず・・・貴金属や美術品等も海外に流出していて、いわゆる日本買いが進んでいるそうです。

深刻なのは、マンションや土地などの固定資産・・・さらに日本企業を購入する外国人も増えているそうです。

 

先日、日銀の黒田総裁が「家計が値上げを受け入れている」と発言して問題となりましたが・・・そもそも、ビックマック指数から判るように海外に比べると日本の物価が異常に安いという問題があります。

そういう意味では、物価が上がるのは良い方向だと思います。

しかし、黒田総裁は「家計が値上げを受け入れている間に、良好なマクロ経済環境をできるだけ維持し、賃金の本格上昇につなげていけるかが当面のポイントだ」と言っています。

アベノミクスでトリクルダウンは起きなかったように、賃金の上昇は起きないと思っています。

 

もちろん、利益が企業留保に回ってしまうという側面もありますが・・・企業は、円安で得た輸出の利益を国内の商品価格に反映させて、円安により原材料価格が高騰しても価格維持をしてきたという面があります。

つまり、価格維持してきた企業が、原材料価格の高騰が限度を超えたためやむを得ず値上げをし始めているという実態を考慮すれば、賃金を上げるほど値上げで余裕が出来るとは考えづらいのです。

 

将来に希望が見えないため、企業は一旦上げたら下げられない給与よりも、国内消費者の所得が低い事を反映して値上げで売り上げが落ちる事をおそれ、商品価格を維持しているとも考えられます。

実態は逆で、先に庶民の所得を増やさないと、物価が上がっても景気は良くならないのです。

そういえば、岸田首相の発言では、いつのまにか「貯蓄から投資へ」を強調し、「分配」は消えてしまいました。

こちらも、分配により将来に希望を与えなければ、投資にまわるとは考えづらいですね。

 

また、円高の時代に企業は海外に生産拠点を移したので、円安になってもそんなに利益は上がらないという指摘もあります。

他にも、新型コロナが落ち着いたので、円安で外国人旅行者が増えるというような話もありますが・・・そんな、目先の利益だけでなく・・・円安を是正し本気で給与所得を増やす事をしないと、日本買いが進んで日本の将来は真っ暗・・・投資する余裕があっても投資先は海外になってしまうでしょう。

というわけで、もっと実態をみた政策にしないと、主な企業が外国資本になってしまってからでは遅いと思うのです。