結婚したい人のヒント満載?

昨日、放送されたNHK「AIに聞いてみた どうすんのよ?ニッポン」は、「超未婚社会ニッポン 結婚したい人へのヒント満載」というサブ・タイトルがついていました。
この番組、毎回書いていますが・・・相変わらず、ツッコミどころ満載です。

もっとも、他からも批判があったためか?明らかに視聴者の興味をひこうとする制作側による奇抜な表現を使った「AIひろしの提言」という形は無くなり・・・分析で判ってきた事という形式になっていました。
ちなみに、それは「不健康が結婚への近道」、「おしゃれをやめればゴールインが近づく」、「相手を見つけるカギが家電量販店」の3つです。
おそらく、前回までの表現だったら「結婚したければ不健康になれ」とかだったと思うので、少しは改善されたのでしょう。

もっとも、明らかにAIとは関係ない、分析のデータの選択や表示には、制作側の意図があったように思われます。
例えば、未婚の原因を調べるのに・・・何故、交際相手のいる男女ピックアップし、1年後の結婚状況に基づき統計的に判断しなければならないのでしょうか?
番組の言うような未婚の原因を調べるのなら・・・結婚を望んでいる人で、結婚できない人を対象にするべきですが・・・この調査だと、たとえ交際相手がいても、近い将来、その人と結婚しようと思っていない人も多く含まれているはずです。
さらに、1年後という短い期間だと、ほぼ結婚が決まっている人が多いはず・・・もちろん、アンケートに答えた翌日に結婚した人も含まれているはず・・・当然、結婚がほぼ決まっている人は、そうでない人と準備などで行動が異なるのは当然です。

また、調査結果の表示方法も変です。
他の要因と関連が多いものは中心付近に配置すると言っていましたが・・・そもそも、この種の調査では、大勢の人が同じ回答をしたものを重要視するはずなのに・・・全ての要因が同じ大きさの丸で表示されていました。
おそらく、大勢の人に共通するような要因を割り出すのではなく、少数の人が答えた奇抜な回答を、ピックアップしたいがため、このような表示となったのでしょう。

番組の最後で、「結論を出す番組ではありません」と断っていましたが・・・要するに、この番組は、相変わらずセンセーショナルな分析結果で、視聴者の興味を惹こうとするだけのバラエティ番組で、まともに分析結果を受け取とってはいけないのです。

ちなみに、マツコさんが言った「皆がみんな結婚して子供を沢山生んで少子化を止める事がこの国の正解なのか?人口5000万の国になり、もっとコンパクトな国な国になってますというのではだめなのか?」というのは、同感です。

以前も書きましたが、日本の土地に現在の人口は多すぎます。
土地問題や住宅問題、ゴミ問題、エネルギー問題、通勤ラッシュ・・・みんな人口が多すぎる物質的な量の問題です。
これに対して、社会保障とかは、政治の問題なのです。
例えば、年金問題とか・・・そもそも、本来は、自分の年金を自分で貯めていたはずなのに・・・人口増加を前提として、若い世代が高齢の世代の年金を負担するような設計にしていて・・・さらに、集めた年金は無駄な施設などに投入していたとか・・・そのうえ、少子高齢化の傾向が予想できても、なかなか手立てを打たなかったツケがまわってきているのです。
このような不手際を誤魔化すために、政治家は少子高齢化を悪玉にしているのでしょう。