アメリカン文化の終焉

ギブソン社が、デラウェア州裁判所に連邦倒産法第11章の適用を申請したそうです。
以前から噂になっていたので、やはりという感じでしょうか?・・・それでも、たかがギター・メーカーなのに、倒産のニュースが新聞にも載ったので・・・改めて、ギブソンって凄いですね。

むしろ、ギブソン本社があるのはテネシー州ナッシュビルなので・・・何故、デラウェア州?なんて思ってしまいました。
なんでも、デラウェア州には企業関係の紛争を処理する衡平法裁判所があり、破産法も専門で迅速に処理されるそうです。、

ギブソンの経営が悪化したのは、オーディオ機器など経営の多角化を図ったのが、昨今の若者の音楽離れで裏目に出たということで・・・日本のオンキョーやティアックも傘下に入っていたようです。
今後は、不採算事業から撤退し楽器ビジネスに専念するという事ですが・・・そもそも経営の多角化を図ったのが、若者のギター離れが要因だったため、前途多難が予想されます。
ギターが数ある楽器の中で主流になってから、かなり経ったので・・・この地位に今後もとどまり続ける可能性は、そんなに高くないかもしれませんね。

以前も書いたことがありましたが・・・ギターって、アメリカン文化の象徴だったように思います。
なかでも、ギブソンって、数あるギター・メーカーなかでも、一番、古き良きアメリカの雰囲気を持っていたような気がします。
そんな訳で、ギブソンの倒産って、かつて私たちが憧れたアメリカン文化の終焉を意味しているのかもしれません。

思えば、学生時代、私はバイトでやっと買った中古のフェンダーストラトキャスターを使っていて・・・周囲も、フェンダーばかり、ギブソンを持っている人はヒーローでした。
その後、就職して、初めて中古のギブソンレスポールを購入した時は・・・ついに自分もギブソンを所有した、と感激した記憶があります。
今では、ギブソンの新品も、学生がお小遣いで買えるほど安くなってしまい・・・有難味が失せてしまいました。

先ほど、アメリカン文化の終焉と書きましたが・・・これも時代の流れ・・・年寄りが古い文化を懐かしむよりも・・・新たな文化の登場に期待をする方が、正しいあり方なのかもしれません。