競争の弊害?

昨日は、東京オリンピックに向けて、東京では建築ラッシュが起きているという事について書きました。
政府の進める「働き方改革」により、建築労働者の長時間労働ができなくなっているため、人手不足や賃金の高騰が起きているそうです。

もっとも、「働き方改革」が悪いわけではないと思います。
従来の長時間労働や安い賃金を見込んで、建設計画を立てていた業界の慣習が問題なのではないでしょうか?

そういえば、昨日のNHKスペシャルは「追跡 東大研究不正 ~ゆらぐ科学立国ニッポン~」 というタイトルでした。
なんでも、2000年以降、不正データを使った研究論文が増加しているそうですが・・・その原因が、政府が進めた「聖域なき構造改革」で、大学への交付金を削った事により・・・研究費を得るために優秀な研究をしなければなくなったからだそうです。
このため、競争が激化して、不正データを使った研究論文を発表してまで研究費を得ようとする研究者が現れたとか・・・

こちらも、不正データを使ってまで研究費を得ようとする研究者が悪いのであって・・・「聖域なき構造改革」が悪いとは言えないような気がします。
そもそも、従来、それほど大した研究でなくても、簡単に研究費が貰えていた事自体が、問題だったのではないでしょうか?

番組の出演者が話していましたが・・・スポーツと同様に、競争自体は発展のために必要であるが、度を越した競争は、間違いを起こし易いのです。
スポーツで連想したのですが、オリンピックでのロシアのドーピング問題が話題になっていますが・・・ちょっと、似た感じですね。

国ぐるみでドーピングを行うのは、メダルの数に拘る国の威信によるもので・・・果たして、選手は禁止薬物を使ってまで、勝ちたかったのか?疑問ですね。

同様に考えると、はたして、研究者自身は不正データを使ってまで、虚構の成果をあげる事に意味を見出していたのか?疑問です。
ひょっとしたら、大学とか学会、あるいは学内の派閥などによる、期待のようなものが・・・研究者に、そういった行動をおこさせていたのかもしれませんね。

余談ですが、STAP細胞事件のとき、小保方研究員の不正データで、あれほど大騒ぎしたのに・・・これほど多くの研究者が不正データを使っていたなんて・・・今にしてみれば、大した事ではなかったのですね。