映像表現

昨日は、ビデオカメラで人物を撮影する時の構図について書きました。
素人の人が撮影すると、普通に正しい構図で撮影する人と、変な構図で撮影してしまう人がいます。

これは、普段、テレビで見ている構図を、無意識のうちに再現できる人と、そうでない人の2タイプがあるからだと思います。

実は、ビデオに撮影する時に、このような約束事がいくつかあって、その通りに撮影しないと、見る人に間違った印象を与えることになります。

例えば、出発する車の映像ですが・・・画面の左側から走り出して、画面を横切って右に消えていくとします。
その場合、目的地に到着する映像は、左端から画面に入ってきて、右側で止まらなければいけません。
これが、右端から画面に入ってきて、左側で止まった映像になってしまうと、見る人はどこかを経由して車が戻ってきたと解釈してしまいます。

面白いところでは、画面の左から右へ横切る新幹線の映像は東京へ向かう列車という印象を見る人に与えます。
東京へ向かう新幹線なのに、画面の右から左へ横切る新幹線の映像を使う場合には、何がしかの説明を付ける必要があるのです。

何故、見る人はこのように認識するかについては、諸説あります。
例えば、富士山をバックに走る新幹線の映像が多かったため、なんていうのもあります。

私は、人間が無意識のうちに、地図を頭に浮かべるからだという説が正しいように思っています。
何故なら、同じように、画面の左から右へ横切る飛行機はアメリカに向かう飛行機で、日本へ帰る飛行機は画面の右から左へ横切るように撮影するからです。

まぁ、理由はともあれ、撮影する時に、このような約束事をいちいち考える必要はありません。
ビデオの出来上がりのシーンを想像して、違和感の無いように撮影すれば良いのです。

最初に書いたように、2タイプの人がいるようで、テレビを見ているときには、このような約束後を理解して見ているのに、自分が撮影する時には、その約束事通りに撮る事ができない人もいます。
どうも、この約束事は、話をするときにあまり意識していない文法のようなものではないでしょうか?
おそらく、私が、英語を聴いて、ある程度理解できるのに、話すのは全然ダメというのに似た感じのような気がします。