健気

昨日は、子育てをする母親の心理について書きました。
子育てと介護って通じる点があるような気がします。

もっとも、初めて子育てをする母親が「なんの地獄かと思った」と話していたのですが・・・私は、この世は天国だと思っています。
もちろん、それは私が恵まれた人生を送ってきたから、そんな風に思うのかもしれません。

なぜそのように思うのかというと、以前も書きましたが・・・
よく、天国と言うと、一年中温暖な気候で花が咲き乱れているようなところのイメージがありますが・・・私は、一年中温暖な気候なんてつまらない、暑い夏や寒い冬があった方が面白いと思っています。
もちろん、実際には、暑い日や寒い日はぶつぶつ文句を言ったりしますが、それも風情だと思います。

それと同様に、順調な人生なんてつまらない、山あり谷ありの方が面白いと思っています。
もちろん、辛い時はぶつぶつ文句を言ったりしますけど・・・波風のたたない人生だったら、なんの努力もせずにだらけてしまいそうです。

ところで、年をとったせいか、最近よく「健気」という事を感じることが多いです。
普通、道端に小さな花が咲いていたりすると、健気だなぁ、と感じるものですが・・・
すべての物に魂が宿っているというアニミズムを信じている私としては、風雨にさらされて錆びた道路標識とかを見ると、健気だなぁ、と感じて、思わず「ご苦労様です」と言いたくなってしまいます。

もちろん、人間についても・・・
例えば、朝、通勤の途中に見る、コンビニの店員、コーヒーショップの店員、工事現場で準備する作業員、配送中の運転手、タクシーやバスの運転手、もちろん出勤途中の人達・・・みんな寒い中、朝早くから頑張っていて、健気だなぁ、と思ってしまいます。

お釈迦さまは、この世は苦しみに満ちていると言ったそうですが、私は、この世は健気に満ちている、と思っています。
というか、この世は健気で成り立っている、という感じでしょうか。

だから、この世は素晴らしい。