フードマイレージ

先日、地球温暖化で、今世紀末には2.5度気温が高くなるという話を書きました。
人間にとっては僅かな温度差でも、植物にとっては大きな違いなので、農業にも影響が出るだろうと思います。

環境問題と食糧問題とは、密接な関係がありますが・・・COP21へ向けて、各国の温室効果ガスの削減目標が出そろう中、昨日、世界第3位の排出国インドが05年比で33~35%削減するという目標を発表しました。
ちなみに、日本は2030年までに、2013年比で、温室効果ガス排出量を25.4%削減するという目標です。
また、TPP交渉も大詰めを迎えているようですね。

以前も書きましたが、食糧安全保障という考え方があります。
安全保障関連法案は可決してしまいましたが・・・・個人的には、食糧安全保障を懸念しています。

石油の輸入が止まれば国民生活に影響があるということで、ホルムズ海峡の機雷除去を想定していましたが・・・石油の備蓄は半年分あるのに対して、小麦の備蓄分は2~3か月分です。

食糧自給率が極端に低い(カロリーベースで39%)我が国では、食糧の輸入を止められる方が、国民生活に深刻な影響があるように思えます。
例えば、中国との関係悪化は、多くの食料を中国から輸入している日本にとっては致命的になるかもしれません。

世界的に見れば、人口増加や農業用面積の減少などにより、食糧問題は深刻になっていて、アフリカのサハラ以南では飢餓人口が増加している状況です。
日本はお金に物を言わせて食糧を輸入していますが、今後、不作などにより生産国が輸出を減らす可能性もあります。

そこで、フード・マイレージという概念があります。
食糧が生産者から消費者まで届く間の距離を指標として、輸送による環境への負荷を考慮して、地産地消を進ようとする考え方です。

もちろん、航空機による輸送と船舶による輸送では環境負荷が違いますし、地元で作っていても暖房を使った温室栽培等もありますので、単純に距離では比較できないのですが・・・
フード・マイレージの大きさによって課税して、地産地消を進めても良いような気もします。

自国産業保護のために単なる関税で輸入を削減しては、保護貿易になりますが・・・温室効果ガス削減のために、フードマイレージの大きい食糧に課税するのなら、良さそうな気がするのです。
単なる素人お思い付きなので・・・実現するには、いろいろと問題がありそうな気もしますが・・・
食糧安全保障のために食糧自給率を上げて、輸送のための温室効果ガスを削減できて、一石二鳥ではないでしょうか?

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「フードマイレージ あなたの食が地球を変える」 中田哲也著 日本評論社