イスラム経済とDCF

昨日は、イスラム教では利子が禁止されていると書きました。

利子と言えば、昔、システムの開発をしているときには、DCF(ディスカウント・キャッシュ・フロー)に悩まされました。
御存知の方も多いと思いますが、DCFとは単純に言うと、現在の1万円は1年後の1万円より価値があるということです。

昔は単なる技術者だったので、つまり経済とかさっぱりだったため、
システム開発の承認を貰うときに、○年後には元が取れますと説明して、それでは駄目だよと言われてしまいました、
そうなんです、それだったら銀行にお金を預けていれば利子がつくので、そちらを選んだ方が得ですよね。

それに、システム開発にはリスクがあります。
開発に失敗したり、想定よりコストがかかったり・・・
銀行に預けておけば、リスクはほとんどありません。
もちろん、リスクの高い金融商品もあり、そちらは利子が高くなります。

で、毎年の利益(あるいはコスト削減)がいくらあれば最終的にいくらになり、それは現在の額でいくらになるという面倒くさい計算をしたうえで、利益になりますと説明をすると、やっとシステム開発の承認を貰えるのです。

だから、利子のないイスラム経済では、DCFは成り立たないので、ちょっぴりうらやましい気がします。
どうも、DCFは頭で理解できても、普段の感覚として釈然としない部分があります。
私のような単純な人間にとっては、○年後には元が取れると言う方が、判りやすいので・・・
でも、1年後の1万円と現在の1万円のどちらがいいと訊かれたら、躊躇なく現在をとります。